早期リタイアにおける最大のリスク

山崎元さんがリタイアに必要な貯蓄率を計算するための記事を書いていましたが、運用益をあてにした早期リタイア志望者にはやや厳しい内容になっています。必要な貯蓄率を計算する式にはインフレ率も運用益も入っていないのですが、この理由を次のように述べています。

将来の、インフレ率も、運用利回りも、予想することは極めて難しいし、不安定です。例えば、一定のプラスの実質利回りを長期間にわたって仮定することは、必要な貯蓄に対して過度な楽観を持ち込む危険があります。

(1)生活設計には大まかに「人生設計の基本公式」を使い、(2)自分にとって許容可能なリスクの中で資産を運用し、(3)(儲かったり、損したりしたら)資産額の変化を基本公式に反映して必要貯蓄率を時々計算し直せばいい、というやり方が「現実的でかつ簡単だ」という結論に至りました。「長期投資なら、必ず儲かるはずだ」という宗教に頼るのは止めておきましょう。
毎年マジで貯めないとヤバイ金額はいくらか

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使いづらい現行NISA、改善案は投信積立特化?

あちこちから使いづらいと声があがっていたNISA。ようやく改善案が出てきましたが、かなり予想と違っていました。

NISAに長期積立枠 政府、非課税20年軸に調整:日経新聞

私はNISAをそこまで積極的に使っておらず、あまり詳しいわけでもありませんが、現行の制度はざっくりと次のようなものだと理解しています(間違ってたらすみません)。

NISAのあらましと欠点

  1. NISA口座には、年間120万円分までの株式や債券、投信などを入れられる
  2. NISA口座の買い入れ枠(120万円)は毎年追加されるが、次の年に枠を持ち越すことはできない
  3. NISA口座に入れた銘柄は、最大5年間NISA口座内に保持し続けることができる
  4. 5年経過した銘柄は、翌年の枠を使う形でNISA口座内に留めるか、一般口座に移すかを選ぶことできる(その際はいずれも、その時点の時価で取得したとみなされる)
  5. NISAの制度は2023年までの期限付き措置
  6. NISA口座内の銘柄からの配当は非課税
  7. NISA口座内の銘柄を売却して得た利益は非課税
  8. NISA口座内の銘柄で売却損が出た場合でも、損益通算はできない

不満が出ているのは、主に4と8についてです。8については字面どおりで、NISA口座内の銘柄が値下がりして売却損が出た場合でも、一般口座との損益通算(売却益を売却損で相殺して課税対象となる利益を減らすこと)ができず、NISA口座を使わない場合に比べてトータルで税金が高くなるということです。

4のデメリットはややわかりづらいです。これは、もしNISA口座内の銘柄(例えば100万円で取得)が5年経過時点で値下がり(80万円)していた場合、その時点で本来より低い値段で取得(80万円で取得)した扱いに変更されてしまい、その後価格変動した際には利益額が増えたり(110万円になった場合は、本来なら10万円の利益だったはずが、30万円の利益に)、損が減ったりしてしまう(90万円になった場合は、本来は10万円の損だったはずが、10万円の利益に)ということです。特に一般口座に移管した場合に問題になりますが、これらは税金額の増加という形で跳ね返ってきます

どちらについても言えることですが、もともと税金を減らすための仕組みのはずが、その恩恵を受けられるのは値上がりした場合だけで、値下がりした場合はむしろ税金が高くなるということです。これはつまり、同じ投資額でも一般口座で投資する場合に比べてリスクが高くなっているということであり、初心者に向けて宣伝・勧誘しているNISA制度としては問題のあるあり方だと思います。

また、この制度を利用して最大限に利益を得ようとした場合は、5年間保持して非課税で配当をもらい、5年経ったら移管せずに売却益を得る必要があります。値上がりする株を選ぶだけでも難しいですが、さらに「5年後の時点で値上がりしている銘柄」を選ぶように誘導される形になっているわけですが、言うまでもなくこれは非常に難しく、不必要に投資を難しくしていると思います。実際、この度奥さんがSBI証券口座を開き、ついでにNISA口座も開設していたのですが、制度の説明も面倒くさいし初心者向きでもないしで、今のところは「NISA口座のことは忘れていいよ」と言っています。

博打はやめて投信積立に使えとのお達し

こうした欠点に対処するため、利用者からは①非課税期間の恒久化、②制度の恒久化、の2点を求める声があがっていました。これによって、強制的な取得価額の変更や、5年経過時点での売却圧力がなくなり、それを見越した不必要に複雑な投資判断、毎年やってくる面倒な繰越判断も不要になります。私も、「このままだとさすがに使いづらすぎるし、変えるとしたらこのへんだよなぁ」と思っていたので、NISA制度改正検討!みたいな話を耳にした時は「やっときたかー」と思っていました。が、見てみるとなんだか思っていたのと違います。

実態を踏まえ、政府は2日にまとめた経済対策でNISAを見直す方針を示した。これを受け金融庁は今月末の税制改正要望で長期積み立てに対応した新たな枠の創設を求める。現行の半分の年60万円以下の投資について、非課税期間を20年前後に延ばす枠をつくる方向。非課税期間5年の現行制度との併用は認めず、利用者はどちらかを選ぶことを想定している。

非課税期間が長期化したことで、NISA特有の条件を考慮する必要は減りましたが、金額が半減するのは痛い。記事中でもふれられていますが、長期で確実に上昇する低額の投資商品を、少額ずつ買い入れて、長期間保有する、みたいな使い方を目指した変更に見えます。ピンポイントで上昇銘柄を選ぶ博打枠としてではなく、(インデックス)投信積立に使え、ということなんでしょうね。これから国際分散投資を進めていく私にとっては、これはこれで割り切りができて悪くはないのですが、月5万円までだと枠としてはちょっと物足りないです。この制度ができたら、奥さんにも投信積立してもらおうかな。

以上、使いづらい現行NISA制度と、その改善案についての所感でした。

「世間で早期リタイアって注目されてるの?」「??ぐらいはな」

にほんブログ村のセミリタイアカテゴリに所属し、セミリタイアブログやインデックス投資ブログなんかを巡っていると、まるで世の中のほとんどの人が早期リタイアに関心があるような気がしてきますが、実際のところはどうなんでしょう。「セミリタイア」と「早期リタイア」について、Googleトレンドでキーワードの人気度合いを調べてみました。どの程度Googleで検索されているかがグラフ表示されます。 “「世間で早期リタイアって注目されてるの?」「??ぐらいはな」” の続きを読む

イギリスのEU離脱による変動について

月末も近いので、定例の資産報告の場でまとめてやればいいかと思ってましたが、起きた時の気持ちや考えを記録するのも自身のリスク許容度や投資スタンスの妥当性を評価する上で重要なので、今更ですがきちんと(?)別にエントリを起こしておこうと思います。内容はつらつらと感想を書く感じですが。

ポートフォリオの状況

6月中旬ぐらいまでは、狭いレンジで上がったり下がったりを繰り返していましたが、投票の数日前から目立って下がりはじめ、5~6%程度下落。前日に少し盛り返したものの、離脱が決まった後はさらに4%程度下落しました。当日を終えた時点では、海外投信・ETFを除いたポートフォリオはちょうどプラスマイナス0%、海外投信・ETFを加えた状態だとマイナス1%程度でした(配当金除く)。

この状態でもREIT組はほぼプラスのまま(つまり昨年9月や今年1~2月よりはまだ高い状態)だったので、ポートフォリオの下落を牽引したのは個別日本株銘柄と、円高で相対的に円換算の資産額が目減りした海外投信・ETFでした。REITの中では、森トラスト総合リート投資法人の下落が目立っていました。

心理状態

2月にも一度プラスマイナス0%程度まで落ち込んでおり、この水準までは経験済みだったので、「まぁこんなもんか・・」というぐらいの気持ちでした。さらに激しく下落するようなら何かしら買い入れようかとも思っていましたが、REITとしては今までも買い入れを見送ってきた程度の下落水準でしたし、個別株で考えると、これから先もだらだらと円高傾向が続き、90円台が日常になりそうな気配なので、やはり買う気が起きず。いずれにせよ配当目当てで保持している銘柄ばかりなので、多少安くなろうが配当さえ出ていればよし、ということで大して気にもなりませんでした。

問題は、為替でそれなりの損失が出ている海外ETF・投信の方です。こいつらは配当も大したことないし、これから長い間収支がプラスに転じることもなさそうで、むしろしばらくの間は円高と市場自体の下落で赤字幅を拡大するだろうなと考えると、若干暗い気持ちにはなりました。

今後のアクション

ジョージ・ソロスが中国崩壊をアピールしはじめたり、アメリカの経済変調が数字に表れてくるなど不穏な気配は強くなっており、為替的にも外貨建て資産を保持・買い入れするタイミングではない雰囲気はしています。しかし、海外を含めた分散投資は最終的に目指す姿ですし、仮に今資金を引き上げても、実際は英議会で離脱が決議されずに大幅上昇、なんてこともあるかもしれず、結局のところ先のことは(少なくとも私には)わかりません。相場の波を無理に読もうとはせず、ドル・コスト平均法的にインデックス投信で世界に分散投資し、長期保持するスタイルを目指すことにしたのだから、まずはこのスタイルを貫いてみて、結果を見つつ自分にあっているかを判断したいので、特に何もせずこのまま積立投信を続けるつもりです。下落相場中に買った海外資産があとで値上がりするといいなぁ。

REITの春は続くのか

ついに主婦がREITにも興味を示すようになったようです。

REITの春は続くのか

高配当の毎月分配型REITファンドが投信ランキングの上位を占めてきていることもあり、現状REITは少し過熱気味かもしれません。といっても、市場全体に比べるとマシなだけで、大して上がっているわけでもないので、持っている方からするとあまり実感がないのですが。私は小型・高配当の比較的マイナーな銘柄を集めているので、そういった面での恩恵はあまり受けていないのかもしれませんが。

ここ数日はイギリスのEU離脱投票を控えてここのところ豪快に値下がりしていますが、それでも私が保有しているREIT銘柄はまだ結構なプラスを維持していて、それが逆に離脱シナリオでのさらなる下落を予感させます。離脱シナリオでリスクオフの動きが加速した場合にどこまで落ちるのかはわかりませんが、銀行でREITファンドを買っているような人たちは、基準価額が下がろうが、配当額が露骨に減らない限りはそうそう解約しないと思います(うちの母もそうでした・・)。JBやGPIFも値下がりですぐに売るわけにもいかないでしょうから、もうしばらくはREITの春(といっても他に比べれば若干暖かいレベル)は続きそうな気配がします。

EU離脱に備えるという意味ではいったんポジションを縮小した方がいいのかもしれませんが、基本的にはREITは売買によるキャピタルゲイン狙いではなく、長期保持でのインカムゲイン狙いなので、この手の政治的なイベントがを控えたタイミングで売買する予定はありません。いずせにせよ、ひと騒ぎが起きたあとには比較的短期間で元の状態に戻ると考えています。暴落したら高配当銘柄仕入れようかなぁ。

労働は地獄、消費は天国の日本

ドイツは労働者としては快適で、客としてはいまいち。日本は客としてはとても快適で、労働者としては最悪という話。

日本では「神」と「人」が存在します。お客さんや株主という「神」となることが出来れば快適な生活を送ることができますが、客や株主という「神」に奉仕する人としても生きていかなければなりません。

ドイツでは、そのような「神」は存在しません。実際の雇用関係があったとしても人間関係は比較的フラットです。神対応を受けることもありませんが、神対応を強制されることもありません。

伝統ともいえる客と店の非対称な関係

これは、ほんっとーーーーーーーに、同意です。日本の一般消費者向けサービスは、末端の労働者にいたるまでサービスのレベルが非常に高い。労働者の立場では、客を神と見做すように意識づけされ、低価格サービスでも手を抜くことは許されていません。

反面、客の立場からみると、コンビニやファストフードに対してすら本人も無意識のうちに(もしかすると労働者として苦しんだ鬱憤を晴らすかのように)高いサービスレベルを要求します。そのためには当然コストがかかります。

これは上司に対しても同じで、上司より先に帰りづらい職場が多かったり、上司に出す社内資料としてやたらと完成度の高いものを求められたり。日本のサービス業の生産性が低いのは、ほとんどこの過剰とも言えるサービスのせいだと思ってます。

日本のサービス業は他国に比べて生産性が低い!といった嘆きを最近よく目にしますが、夜や土日はほとんどの店が閉まるようになって、店員の接客態度がことごとく悪化したらそれはそれで文句言うんじゃないかなぁ。

限られた枠の中で品質をどこまでも追求しようとし、その手段として労働集約的なやり方を美徳と考えてしまうのは勤勉革命以降の日本人の性のようなものなので、この傾向は一朝一夕には変わらないんじゃないかと思います。

海外にもバレてきている劣悪な労働環境

海外旅行者からは、こういった高品質なサービスが人気となっている面もありますが、裏にあるこうした劣悪な労働環境を知ってか知らずか、日本で働きたいと考える人はほとんどいません

外国人留学生の就労支援を手がける一般社団法人の日本国際化推進協会が実施した調査で「日本で働くことが魅力的」と答えた外国人は約2割にとどまった。一方で「日本に住むのは魅力的」との回答は8割超に上る。

外国人「日本で働きたい」2割のみ 留学生支援団体調査

そういう意味では、日本は早期リタイア後に暮らすには良い国なんでしょうね。一方的に高品質なサービスを享受することができるんですから。

究極的には、ドイツのような労働でストレスの溜まりづらい国でリタイア資金を貯め、リタイア後は日本で暮らすのが最強でしょう。いや、もしかしたらドイツのような環境ならそもそも早期リタイアしようとは思わないのかもしれませんね。私は既に日本で働いてすり減っているので、さっさと引退してストレスを受けた時間を取り戻したいです。

早期リタイアのシミュレーション(30代引退ver、40代引退ver)グラフ表示

2016/5/16追記

このページのグラフは、住宅購入費が計算に入っていないため誤っています。最新のリタイアメントプランと変更履歴、対応したグラフはこちらの固定ページをご覧ください。

早期リタイアメントプランをやや見直し、以下のような条件でシミュレーションしなおしてみました。生活費の増額、年金支給開始年齢の後ろ倒しなど、全体的には安全側に倒しています。

生活費関連

去年の生活費をベースに設定していましたが、今年の生活費実績から増額しています。早期リタイアはいわば私のわがままみたいな形になるので、生活レベルを著しく落とすと周囲の理解が得られません。

  • 生活費(住居費除く):2017年時点で24万円/月

運用条件

計算の簡便化のためにリスク資産額・構成をリタイア時点まで固定化し、リタイア時点で一気に増額していますが、実態としてはリタイアまでの期間で安値の時期や積立で買い増していく予定です。運用益が下振れするので安全側に倒れているとは思いますが、今後の買い入れ分で大きなキャピタルロスが発生しない前提になります。

  • リスク資産運用益:3%
  • 運用益はすべて生活費へ充当

住居関連

3500万で生涯住める家を都内で探すのは結構難しいので、もう少し増額するかもしれません。ですが、2DKか1LDK程度で構わないと思っているので、できればこの程度に収めたいところです。

  • 住宅購入額:3500万円
  • 住宅購入時その他支出:購入額の10%
  • 積立修繕費+固定資産税:50万円/年

経済・社会環境

別エントリで考えた結果を反映し、公的年金の支給開始時期は現状よりかなり後ろ倒しにしました。

  • インフレ率:0.5%/年
  • 基礎+厚生年金支給開始年齢:75歳
  • 年金給付額は現状での見込額を採用、物価スライドは考慮しない

45歳で引退する場合

45歳(住宅補助費が支給されなくなる時期)で引退する場合の収支・資産推移の想定グラフです。

45歳の大きな支出は住宅購入費、60歳での支出は企業年金の一括受け取りです。75歳までは運用益以外の収入がないため、無リスク資産と総資産がどんどん減っていきますが、75歳で年金支給が開始されると収支がプラスに転じ、以後は安定します。

リスク

  • 親、自分たちの施設入居費用等の発生
  • 病気、怪我による収入の低下や治療費用の発生
  • 運用益3%の未達
  • 災害による追加的支出の発生(マンションの大規模修繕や移住等)
  • 長寿による追加的支出の発生(災害と同様)
  • 高率のインフレ発生

このあたりへの対処は別途個別で考えます。

今年度末で引退する場合

45歳引退の場合だと思ったより余裕があったので、もっと早く引退できるんじゃないか?と考えてのシミュレーション。

雑なシミュレーションですが、いずれにせよ60前後で総資産がマイナスになっているのでどうしようもないですね。著しく生活レベルを落とせば可能性はあるかもしれませんが、冒頭でも述べたとおり、そんな条件では周囲が早期リタイアを認めてくれません。やはりもう少し働かねばならないようです。

このプランも、社会情勢やリスクへの対応方針が決まり次第順次更新していきます。

早期リタイアメントプランでの公的年金の扱い

年金って、現状の制度が続く想定だと意外とたくさんもらえるんですよね。年金問題が多発していた10〜15年前は、もう年金はもらえない前提で計画した方がいい、とまで言われていましたが、リーマンショックの混乱後は好景気の期間が続き、目立った新材料もなく小康状態の印象です。近頃は、老後の計画について考える際に「年金は信用できない」という相談者に対して「年金がなくなることはないし、意外とたくさんもらえるんですよ」と説明しているのをよく見かけます。

私が早期リタイアを考え始めた当初も、日本年金機構のサイトで予定額を計算したりなどして、「意外と年金もらえるから、65歳まで生き延びればなんとかなりそう」と考えたりしていました。ライフプランもその前提でざっくり作り、「これならきりつめれば、即引退してもなんとかなるかも」ぐらいに思ったりしたんですが・・・

公的年金を取り巻く状況

ここ数年は世界的にも国内的にも景気が良かったためにあまり話題になりませんでしたが、公的年金を取り巻く状況は芳しくなく、これからの見通しも明るくありません。

公的年金の財政状況はこんな感じで、55%が保険料、27%が運用益、18%が国からの歳出だそうです。保険料については次のような状況で、歳入はどんどん減っていく見込みです。

  • 生産年齢人口は継続的に減少
  • 年金支給対象の人口は団塊Jr引退後しばらくするまで継続的に増加

年金原資がつきると運用益はなくなりますが、厚生年金、国民年金の原資は30年後に枯渇するとの試算があります。これらの減少を国からの歳出で埋めようにも、国債発行残高は1000兆円に達し、国内での国債消化は限界に近づいています。

マクロ経済スライドの導入で毎年支給額を調整するようになったため、大きく支給条件が変更されるリスクは減っているようですが、そもそも厚生労働省の前提とする経済成長見通しがかなり楽観的なので、この調整率で対応できるのかもよくわかりません。

公的年金は財政状況が悪化するといくらでも徴収額を増やしたり支給額を絞ったりできるので、絶対に破綻することはありません。実際に徴収額の増額や支給開始年齢の引き上げが行われてきています。後出しで保険料を増やしたり、支給額を絞ったりできるのであれば、破綻する保険会社は存在しないのと同じことです。しかし、保険者はこの保険会社が提供する保険を宛てにして計画を立てることはできません。民間の保険会社であれば解約すればいいだけですが、公的年金は強制加入なのでそういうわけにもいきません。

早期リタイアで公的年金をどう扱うか

企業で行われているライフプラン研修や、新聞・経済誌等で説明されているライフプランは定年後の生活を公的年金で送ることを当然の前提としており、その際は現在の年金支給条件を所与としています。しかし、年金の本来の目的が長寿リスクへの対処であり、平均年齢が現在も伸び続けていること、少子化により現状の条件では年金原資が枯渇する恐れがあることを考えると、結局のところ私達も公的年金は長寿リスクに対する保険と位置づけるしかないのだと思います。

これまで受給してきた、そして現状すでに受給している人たちとの格差や、ほぼ確実にマイナスになるであることがわかっているにもかかわらず強制的に加入させられていることを考えると全く納得はいきませんが、現状の公的年金支給予定に頼ったリタイアメントプランはそれ自体が大きなリスクとしか考えられません。プランが前提とする運用益やインフレ率にももちろんリスクはありますが、公的年金の支給条件変更は、中でも発生率が高いと思います。

日本人の平均寿命は戦後一貫したペースで増加(ここ数年やや鈍化の兆しあり)しており、増加数は60年間で20歳ほどです。私が世間的なリタイア年齢に差し掛かるのは30年後なので、ここからさらに10歳ほど増えている可能性が高いです。現状はリタイア年齢がゆるやかに65歳に移行し、年金支給開始年齢も同期している状況(因果関係は逆な気がしますが)ですから、30年後はさらに5〜10年後ろ倒しになっている可能性は十分あります。というわけで、私のリタイアメントプランでは年金支給開始年齢は75歳と想定することにしました。支給開始年齢の後ろ倒しと支給額の大幅減少を同時に実行するのはさすがに難しいと思うので、支給額は現状と同額の想定です。これでもまだ甘いかもしれませんが、当面はこれでいこうと思います。

最新のリタイアメントプランはこちら:リタイアメントプラン

民泊による東京圏不動産への影響

今後は人口が減少に転ずるらしい東京圏ですが、今後大幅な増加を目指している訪日観光客はプラス要素です。ただし、日本政策投資銀行による 東京オリンピック期間中と期間後のホテル需給環境を考える(PDF) を参考にすると(あくまで訪日観光客の目標が現在の半分だった頃のものですが)、国内人口の低下に伴う国内観光客の減少との相殺もあり、今後も需給環境はあまり変化しない想定だったようです。

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企業と従業員の関係の変化

ダイヤモンド・オンラインに以下のようなタイトルの記事があり、最近頻発している(ように見える)企業の不祥事について、2つの仮説をあげて考察しています。

日本企業は劣化したのではなく、もともといい加減だった

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収入を給与に頼るのはリスクが高い

文化放送がラジオ・Podcastで「オトナカレッジ聴く図書館」というのを配信していて、すきま時間をつぶすのによく聞いています。

内容としては、世界史学科、経済・ビジネス学科、健康学科などのカテゴリに分かれていて、それぞれ隔週で著名人を招いて30分ほど1つのテーマについて語る、といった内容です。軽い気持ちで聞けるので、薄ーく一般教養を積みたい人にはおすすめ。ちなみに、一番のお気に入りは世界史学科で、予備校講師の茂木誠氏が独断を交えつつ地政学に基づいた世界史を語っています。

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