株の利益申告漏れ、忘れた頃に突然やってくる税務調査で何が起きるのか:前編

実は最近、人生初の税務調査を受けまして、過去の譲渡益の一部が未納であることがわかりました。

特定口座を開設した時は、どこかで見た源泉徴収なしの方が得だという情報を真に受けて、税制や納税方法についてよく理解しないまま源泉徴収なしで開設していました。その後数年間は結局取引ゼロだったのですが、しばらくして本格的に銘柄を買い始める時に源泉徴収ありに切り替えています。しかし、切り替え前後のタイミングで申告が必要な取引が残っており、そこが未納となっていました。

いやぁ、ダサすぎですね・・・。連絡が来た時点である程度裏は取られていると聞きますし、納税を逃れる気もなかったので、税務調査に対しては素直に全面協力しました。結果として、追加納付が必要な額は(延滞税を含め)累積利益額の2%程度と比較的軽微でした。

みなさんがこんなマヌケなことをするとは到底思えませんが、私の経験を記録しておくことで、忘れるとどんなことが起こるのかお伝えしようと思います。もし同様に突然連絡依頼票が来てうろたえている方がいらっしゃるなら、今後起こることを知って落ち着いていただければとも思います。

税務調査から納付までの流れ

  1. 連絡依頼票による事前通知
  2. 電話による調査日程の調整
  3. 調査に向けた書類等の準備
  4. 税務調査
  5. 不足書類等の準備と送付
  6. 調査結果の通知
  7. 確定申告書類の確認
  8. 税金の納付
    1. 無申告分:国税
    2. 無申告加算税・延滞税:国税
    3. 地方税

今回は前編として、1から3までについてお話します。通知書面の内容やタイミング、電話での会話内容、準備書類等についてお伝えできればと思います。

連絡依頼票による事前通知

私の場合は、ある日突然税務署から次のような文書が届きました。

連絡依頼票

税務行政につきましては、日頃からご協力いただきありがとうございます。あなたの申告所得税(及び復興特別所得税)・消費税及び地方消費税について、調査の事前通知を行いますので、お忙しいところ誠に恐れ入りますが、XX月XX日までに下記の担当者宛てにご連絡くださいますようお願いします。

平成XX年XX月XX日

XX 税務署

こちらに連絡してくる時点である程度の裏は取っていると思いますし、無視すると非常に面倒なことになるらしいので、大人しく従うのが吉だと思います。なお私の場合、後の調査で未納があったのは平成25年分のみという結果でした。つまり、おおよそ4年後になってはじめて通知が来たことになります。

電話による調査日程の調整

連絡依頼票に記載された連絡先に電話し、税務署の担当の方と直接話をします。雰囲気を感じてもらうために、吹き出し形式で会話をほぼそのまま掲載してみます。

 
すみません、昨日こちらに連絡依頼票というのが届いてまして、この番号宛に連絡をくださいとのことだったんですが。


 
お名前と住所をお願いできますか?—少々お待ち下さい。
 
はい、Bです。今回は、buraburaさんの所得税についてお伺いしたいと思っておりまして、buraburaさんは株ってやっておられますよね?

 
はい。
 
確定申告ってされてませんよね?
 
(直球できたーーーーやってない分にしても、源泉徴収してある分とたぶんない分があるんだけど、ここであーだこーだいってもしょうがないし)やってないのもあると思いますね。
 
そのあたり、ご自宅にお伺いして、確定申告が必要かどうかというのを調査させていただきたいんですよ。
 
(自宅はやだなぁ・・・)それは、自宅でないとダメなものなんですか?
 
調査のために必要な書類を持ってきていただけるのであれば、税務署に直接来ていただくとかでも構いませんよ。
 
(それもめんどくさい・・・)どういった情報が必要なんでしょうか?
 
株の取引がわかる書類とか、株のお金を入金している銀行口座の通帳とかですね。
 
(そんなの税務署側で調べられるんじゃないの?大した情報行ってないのかな。)証券も銀行もネット専業なんで、書類は全然ないと思います・・・PDFやCSVをダウンロードできるので、それをPCで確認するような形でも構いませんか?
 
ネットですか・・・できれば印刷とかしていただきたいんですが。
 
(え、電子情報の方が何するにしても使いやすくないの?)すいません、うち、プリンタがなくて・・・
 
そうですか・・・それでは、PCでの確認でも構いませんよ。情報はUSBメモリ等で持ち帰ることもできますので。
 
わかりました。でしたら、PCを外に持ち出すのはちょっと難しいので、自宅でお願いできますか?
 
わかりました。それでは、伺うのはいつぐらいがよろしいですか?
 
(これは、会社休まないとだめかな。すぐ終わるなら調整つきそうだけど)調査にはどのくらいの時間がかかるんでしょうか?
 
どのくらいスムーズに進むかにもよるんですが、だいたい半日ぐらいですね。buraburaさんはお勤めされてるんですか?
 
(半日となると休まないと厳しいなぁ)はい、今日は在宅勤務で自宅にいるんですが、基本的には出社してます。
 
失礼ですが、お勤め先ってどこなんでしょう?
 
(これは、納付できるだけのお金がなかった時に給与差し押さえできるかの確認?税務署でも簡単に調べられそうだけど、そこまで知らないのかな。まぁいいか、どのみち現金はあるし)Sという会社です。
 
S社さんですか・・・なるほど。
 
(なんなんだよ!)それでは、X月X日の午後でいかがでしょう?
 
X月X日ですか・・・?たぶん大丈夫だと思います。私も上司と相談しないといけないんですが、もしその日が無理だったらまた連絡します。連絡先を教えてもらえますか?
 
今かけている電話番号でお願いします。
 
すいません、こちらの電話、番号出ないんですよ・・・何分設備が古いものでして。
 
(税務署の電話、ディスプレイもついてないんか・・・)わかりました、では・・・・大丈夫ですか?XXX-XXXX-XXXXです。
 
ありがとうございます。それでは、X月X日の午後に伺いますので、よろしくお願いします。
 
はい。あ、調査に向けてその他にこちらで事前に準備しておいた方が良いものはありますか?
 
そうですね・・・源泉徴収票があるなら、揃えておいてください。あとは、年間取引報告書という証券会社から送られてくる書類ですね。平成24年からの5年間分をお願いします。
 
わかりました。紙ではほとんどないと思いますが・・・できる限り揃えておきます。
 
お願いします。
 
それでは、失礼します。(ふぅ・・・)

 

といった次第で、税務調査の日程が決まりました。

調査に向けた書類等の準備

電話での話から、税務調査に向けて準備すべき情報が明らかになりました。具体的には、以下の書類を準備しました。

  • 特定口座年間取引報告書
  • 源泉徴収票
  • 証券口座からの現金振込口座の入出金明細

特定口座年間取引報告書

特定口座年間取引報告書は、特定口座を開設していれば証券会社から毎年送られてくるはずのものですが、私の手元にはなぜか昨年分しか残っていませんでした。

後でSBI証券に問い合わせてわかったことですが、SBI証券は平成24年分以降、株式の取引がなかった年については年間取引報告書を発行・送付していません。平成23年分までは全ての欄が0で埋められた書類が送付されてきていますが、仕組みが変わったようです。

私の場合、過去5年分のうち2年分については取引を行っていなかったため、SBI証券のルールに従って書類が送付されてきていませんでした。通常なら取引がなかった年は書類も不要なので、これでも問題ないのでしょうが、今回は取引がなかったことを証明しなければいけません。結局は後で全年度の再発行が必要になりました。

調査に向けては時間もありませんし、どこまで完璧にそろえる必要があるのかもわからなかった(電話でも「できれば用意してください〜」といった形だった)ので、まずは電子交付書面として参照できる「取引報告書」や「取引残高報告書」のPDFをダウンロードしておきました。しかし、後編で記載しますが、実際の税務調査では細かく見るのが面倒なのかあまり詳しくは確認せず、「とにかく年間取引報告書を5年分取り寄せてくれ」と言われてしまいました。さっさと特定口座年間取引報告書を取り寄せておくのが良いと思います。

源泉徴収票

私の会社では、源泉徴収票はPDFで発行されます。給与関連のPDFファイルは、登録した私用のメールアドレスにも送付されるようになっていたので、電子ファイルで全て揃えることができました。最終的にはこれらも印刷して送ってくれと言われましたが、調査時の確認では電子データでも大丈夫でした。

証券口座からの現金振込口座の入出金明細

私の場合、SBI証券口座は住信SBIネット銀行と連携しているため、入出金は基本的にハイブリッド預金口座に対して行われています。というわけで、ハイブリッド預金口座の明細をCSVでダウンロードしておきました。ブラウザ上だと一覧性が低くて確認が大変ですからね。

この情報は結局、他に収入がないかを確認するためにざっくりと眺められた程度でした。明細から収入源のあたりをつけた後は、各収入に対する書面(年間取引報告書、源泉徴収票、支払調書)の提示を求められたのみで、口座明細については紙での提示を求められることはありませんでした。

こんな感じで税務調査の準備を終えました。税理士に助けを求めた方がいいのかなぁと一瞬考えたりもしましたが、別に納税額を減らす気もなかったので、私だけでさっさと調査を済ませてしまうことにしました。通知から調査日までの間に確定申告を終わらせてしまえば、無申告加算税が5%少なくなるようなので、出来る人はやった方がいいかもしれません(参考:加算税制度の改正のあらまし)。

税務調査当日のやり取りと具体的な調査事項、追加で要求された書類、納付額と納付の手続きについては後編でお話しようと思います。調査は思っていたよりもずいぶんと雑でしたので、工夫すれば収入をごまかしたりできそうな印象もあったのが印象的でした…。

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