仮想通貨に乗るか、乗らないか

ビットコインをはじめ、有象無象の仮想通貨がすさまじい勢いで値上がりを続けているようです。資産額が10倍~100倍になった人もいるそうで、まさに現代のゴールドラッシュですね。そんな中私はといえば、相変わらずこの祭りを横からぼーっと眺めている状態です。参加していない理由は次のようなものです。

  1. 用途が非常に限定される
  2. 信用の裏付けに乏しい
  3. それ自体では価値を生みださない
  4. 価値を判断する尺度がない/確立されていない
  5. 税制上の扱いが不利

なお、これらを理由として参加しないのは、私が長期投資を主眼に置いているからです。短期で売り抜けて資産を増やすことが目的なら、私も飛びついたかもしれません。

用途が非常に限定される

仮想通貨の中でも最も有名なのはビットコインですが、そのビットコインですら、国内ではごく一部の店舗で使うことができる程度です。ビットコイン以外の仮想通貨に至っては、使える場所はほとんどありません。また、ビットコインの場合はその性質上、決済の完了までに10分以上を要しますし、時間あたりに処理できるトランザクション量も非常に少ないため、そもそも大量の決済に向いていません(後発の通貨はこのあたりが改善されていますが)。

政府や中央銀行の立場からしても、ビットコインのような政府の権限が及ばない通貨が国内で広く流通することを許容する理由はありません。仮にそうなった場合、日銀による金利や物価の調整機能が失われてしまうため、国内経済が景気変動に対して非常に脆弱になってしまいます。

今後もし筋の良い仮想通貨が各国で流通しはじめたとしても、各国政府は国内での仮想通貨流通を制限する方向に動くでしょうから、仮想通貨の用途はおそらく、国をまたがる決済か、信用の低い国内通貨からの一時的な退避先、といった用途に限定されると思われます。

信用の裏付けに乏しい

円やドルは各国政府によって強制通用力が付与されていますが、仮想通貨にはそうした裏付けはありません。仮想通貨の行く末は、それぞれの仮想通貨を開発・運営するコミュニティや企業によって決められることになります。これらのコミュニティが、事実上仮想通貨の信用を裏付けることになりますが、その信用や継続性には疑問があります。

それ自体では価値を生まない

ビットコインは、配当を得られる株式や利子を得られる債権とは違い、それ自体が価値を生み出すことはない、無利息の外貨預金のような存在です。そのため、ビットコインに対する投資は、短期的には為替と同じで基本的にゼロサムゲームになるはずです。長期的には主に資産退避目的で通貨自体の需要が高まっていく可能性はありますが、逆に言えば、そうならない限りは通貨価値が上がり続ける理由は見いだせません。

価値を判断する尺度がない/確立されていない

株式であれば、企業価値や株価水準を判断する各種指数がありますし、債権に関しても各種利率や格付が参考になります。為替に関しても、購買力平価や金利等、一応参考になる指標があります。しかし、仮想通貨に関しては、現段階ではこうした指標や尺度がないため、高いのか安いのか、まったく判断することができません。

税制上の扱いが不利

国税庁からの通達により、ビットコインを使用することにより得た利益は、原則として雑所得となることが明らかにされました。為替差益と似たような扱いなので、現段階では外貨に近いですね。貴金属の売買による利益が譲渡所得扱いとなり、各種控除等の優遇(50万円の特別控除、長期保有による減額、他所得との損益通算、損失の繰越、低税率の分離課税)が受けられるのとは大違いです。雑所得の場合は特別な控除枠もなく、総合課税で最大55%の高税率、他所得との損益通算不可、損失の繰越不可とかなり厳しくなっています。

また、仮想通貨間で乗り換えた場合でも都度利益を確定したことになるため、ある年に大きく儲けて全額を別通貨に交換し、次の年にその通貨が45%以上暴落すると、前年の税金が払えなくなって破綻します。証拠金取引ならもっと簡単にこの状況が発生します。税金の支払い義務は自己破産してもなくならないので、十分気をつける必要があります。

それでもどこまで上がるかは予想がつかない

用途が非常に限られると思われるものの、その限られた用途ですら莫大なニーズがあり得るため、結局のところ今後の値動きはまったくわかりません。資産退避先として、これからますます多くの人がビットコインを使い、上昇を続けるのかもしれません。それは誰にもわかりません。しかしいずれにせよ、一応は長期投資家である私の立場からすると、仮想通貨に手を出す予定はありません。

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