株の利益申告漏れ、忘れた頃に突然やってくる税務調査で何が起きるのか:後編

前回は、連絡依頼票での事前通知から調査に向けた書類の準備までお話しました。

株の利益申告漏れ、忘れた頃に突然やってくる税務調査で何が起きるのか:前編

今回は、税務調査当日の様子と、事後対応(4~8)についてお話します。

  1. 連絡依頼票による事前通知
  2. 電話による調査日程の調整
  3. 調査に向けた書類等の準備
  4. 税務調査
  5. 不足書類等の準備と送付
  6. 調査結果の通知
  7. 確定申告書類の確認
  8. 税金の納付
    1. 無申告分:国税
    2. 無申告加算税・延滞税:国税
    3. 地方税

税務調査

いよいよ税務署員が自宅にやってきました。

(身分証明を差し出しながら)こんにちは、XXX税務署のBです。本日はよろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。書類なんですが、紙で用意できたのがこちらで、源泉徴収票と年間取引報告書の1年分です。残りは電子ファイルしかないので、こちらのPCで確認いただこうと思ってます。
あ、これは源泉徴収票ではなく住民税の通知書ですね。源泉徴収票ってのは、こう、四角い・・・見たことありませんか?
あぁ、あのハガキみたいな白いやつですか・・・最近は紙で発行されていないので、勘違いしてました。メールで届いていたと思いますので、おそらくPCで確認できると思います。
わかりました。年間取引報告書はこれだけですか?
そうなんですよ・・・すみません。一応、取引報告書は証券会社のサイトで確認できるので、それを見ていただこうかと。
わかりました。それでは、PCの方見させてもらいますね。
お願いします。今見ることができるのは、取引報告書として発行されているこのあたりの書面ですね。一応ここに、該当期間の取引は全部書かれてはいるみたいです。このあたりまでは源泉徴収ありで、それ以前は源泉徴収なしになってます。
なるほど・・・(しばらくバラバラと確認して)ちなみにburaburaさん、確定申告が必要ってのはご存知でした?
当時はあんまりよくわかってなかったんですよね・・・。特定口座なら証券会社がうまいことやってくれるのかと思ってました。
特定口座でも源泉徴収ありとなしがありまして、なしの場合は申告が必要ですね。
そうですね・・・。
こちら、一般口座ならこういった取引報告書をもとに自分で書類を作らないといけないんですが、特定口座ならまとめた書類を発行してもらえますんで、それを過去5年分取り寄せてもらえませんか?
わかりました。
ところで、株を売った時のお金が振り込まれる銀行口座ってどこですか?
住信SBIネット銀行というところの口座です。ハイブリッド預金口座というのがあって、証券口座と連動するようになってますので、自動的にそちらに入るようになってます。投資用のお金と生活用のお金は分けていて、株で儲けたお金はハイブリッド預金口座から出してないです。
明細見せてもらえますか?
(CSVを開いて)はい、こんな感じになってます。この「振替 SBI証券」ってのが入金ですね。ちょっと小さくて見えづらいので、大きい画面に移します。(外部ディスプレイにドラッグ)
え!?今のなんですか?どうやったんですか?
え・・?どれのことですか?
今、こっちの画面からこっちの画面に飛ばしませんでした?
あ、デュアルディスプレイのことですか・・・?PCに外部のディスプレイをつなげば、こうやって画面の間を自由に移動できるんです。
すいません、僕 PCにあんまり詳しくないんで・・・デュアルディスプレイっていうんですか?すごいですね。
(税務署ってだいぶIT化が遅れてそうだな・・・)
すいません、中断して。(バラバラと確認して)なるほど、源泉徴収票も見せてもらっていいですか?
はい。(メールを検索して)こんな感じです。
ありがとうございます。こちらの給料の振込先はさっきの口座ですか?
いえ、新生銀行と住信SBIの代表口座にそれぞれ振り込んでます。住信SBIは第二口座みたいな感じです。
そちらの明細も見れますか?
はい、こんな感じですね。
(ざっと確認しつつ)この、個人名で大きな金額が出てるのはなんですか?
これは、家賃の振込ですね。この物件は管理会社ではなく大家さんが直接集金管理しているので、振込先が個人名なんです。毎月決まった額が、こんな感じで記録されてます。
そういうことでしたか。ほかには何か収入ってありませんか?
昔副業で出した本の印税があります。すごく少ないですが。
明細で振込額とか見れますか?
このあたりの・・・これとかですね。
確定申告するとなると、このあたりも申告しなければいけないので、収入がわかる書類を取り寄せて送ってもらえますか?5年分お願いします。
わかりました。
変なこと聞くようですけど、buraburaさんは、株っていつごろからやってるんですか?
うーん・・・はじめたのは社会人になってすぐくらいですね。銀行で投資信託買ってました。あんまり儲からなかったんで、その後はしばらくやめていましたが、2007〜8年くらいからまた買い出した感じですね。
株って、なんではじめようと思ったんですか?
(・・・この質問はなんだろう?)私はいわゆる就職氷河期世代なんですが、あの頃って景気も悪くて、これからは会社には頼れない、とか、年金も当てにならない、とか色々言われてたんですよ。それで、自衛しないと、と思ってはじめた感じです。
あぁ、僕も同じ世代なんでわかります。僕は株とか全然できないんですけど、公務員になろうと思って、必死に勉強したんですよ。理系だったんですけど、公務員が安全かと思って。
そうだったんですね。私は経済学部だったんですが、同期で一般企業に入った人は辞めちゃった人多いですね。勉強しなおして、会計士とか、士業についた人が多いです。
そうだったんですね。いや、つまらない話をしてしまってすみません。調査はだいたいこんなところですね。
ありがとうございました。それでは、年間取引報告書と、副業の収入がわかる書類と、源泉徴収票を送ればいいんですね。5年分ですか?
5年分でお願いします。
源泉徴収票は今全部ありますが、今日持って行きますか?電子ファイルですが。
電子ファイルは持って帰る方法がなくて・・・
あれ、USBメモリで持っていけるって言ってませんでしたか?
ちょっとむずかしいんですよね。印刷とかできませんか?
プリンタがなくて・・・(USBメモリはこっちが用意しろってことだったのか・・・?そんなのないしなぁ。っていうか、他人が用意したUSBメモリを挿すって、セキュリティやばすぎない・・・?)
会社で印刷されてる方とかいらっしゃいましたよ。
(それを公務員が勧めてよいのか。。)わかりました、とにかく紙で5年分必要なんですね。
申し訳ありませんが、紙でお願いします。封筒はこちらを使っていただければ無料で送れますんで。
わかりました。書類を送ったあとの段取りはどうなりますか?
こちらで確定申告が必要かどうかを確認させてもらって、必要だった場合はこちらで書類を作ります。それを確認してもらって、問題なければ納付してもらう、という流れになりますね。
わかりました。
あ、あと、書類を送ったら電話でこちらまで連絡いただけますか?
承知しました。
それでは、今日はこれで失礼させていただきます。お邪魔いたしました。
こちらこそ、ご足労いただきありがとうございました。

不足書類等の準備と送付

というわけで、調査で要求された以下の書類を過去5年分集めます。

  • 源泉徴収票
  • 特定口座年間取引報告書
  • 雑所得の収入額がわかる資料

源泉徴収票

源泉徴収票は、PDFで送付されていたものを印刷してすぐ完了しました。私の勤務先の場合、給与システムにプライベートのアドレスを登録しておけば、各種電子ファイルが複製送付されてくるので、特に追加の申請等は不要でした。

特定口座年間取引報告書

こちらに関してはSBI証券に問合せました。色んなやり取りがあったんですが、結論から言えば、1年あたり1,000円程度の手数料で再発行することができました。前回少し触れましたが、SBI証券は平成24年以降、取引がなかった年は年間取引報告書を発行していません。今回はその目的上、取引がなかった場合でもその事実を証明する書面が必要です。この場合も、全ての項目に0が記載された書面発行は可能とのことだったので、発行を依頼しました。

なお、未発行分の書面に関しては、電話での再発行依頼ではなく、書面での手続きを行うことで、再発行ではなく初回発行依頼扱いになって手数料を無料にできます。若干面倒ですし、余分に時間もかかりますが。

雑所得の収入額がわかる資料

こちらは、出版社に対して支払調書の再発行をお願いしました。私と同じようなだらしない人が結構いるのか、非常に慣れた様子の対応で、即日電子ファイルと書類を送付していただけました。

これら3種類の書類を税務署の封筒に入れて送付し、送付した旨を税務署に電話で連絡しました。ここらへんからは特に面白いこともないので、駆け足でいきます。

調査結果の通知

書類の送付から一週間ほど経った頃、税務署から電話で連絡がありました。結果は、過去5年のうち1年分は未申告のため、確定申告が必要、というものでした。申告書類は税務署で作成済みなので、結果を確認してほしい、とのことでした。

税務署に直接出向いて確認するほか、郵送で受け取って確認後に返送する方法もある、という話だったので、今回は郵送での対応をお願いしました。

確定申告書類の確認

数日後、でっかい封筒が届きました。以下の書面が入っています。

  • 調査結果に関するお知らせ
  • 確定申告書類一式
  • 確定申告書類一式控え
  • 納付書

ちなみに、今回私が税務調査前にかけこみで確定申告してしまわなかったのは、面倒くさかったというのももちろんですが、税務署員の作った確定申告書類のお手本を見てみたい、というのもありました。これを手本に来年以降の申告を考えようかと思います。

税金の納付

次は、送付されてきた納付書を使った税金の納付です。ただし、今回送付されてきた納付書は、支払いが必要な税金のうちの一部にしか対応していません。税金は、以下の5回に分けて支払う必要があります。これがまた面倒くさい。

  • 国税
    1. 無申告分
    2. 無申告加算税
    3. 延滞税
  • 地方税
    1. 無申告分
    2. 延滞税

今回受け取った納付書は1に対応するもので、本来納付が必要だった額そのものであり、延滞税等は含まれていません。この額の納付時期によって延滞税が決定するため、まずは1を単独で納付する必要があります。1が終わると、無申告加算と延滞分の納付書が別途送られてくるので、これを支払います。

ここまでは国税分ですが、地方税も別途支払う必要があります。ここから先は地方自治体の税務課担当になり、税務署員は詳しいことはわかりませんが、基本的には国税と同じ流れとなります。

国税:無申告分

納付書は、確定申告書類の送付と同時なので、税務調査からおおよそ二週間程度で送られてきました。この納付書と現金を金融機関か税務署に持っていけば、支払うことができます。私がメインで使っている新生銀行と住信SBIネット銀行はいずれも国税の納付に対応していないとのこと・・・というわけで、今回はゆうちょ銀行を使いました。

事前に手続きをしておくことで、口座振替による納付もできるようですが、もちろんそんな手続きはしていないし、特にお得なこともなさそうなので、ATMで現金を下ろして窓口でさくっと納付をすませました。

国税:無申告加算税・延滞税

無申告加算税・延滞税については、確定申告書類の郵送時に見込額が書いてあったのですが、国税の納付から二ヶ月近く経った今でも、納付書は送られてきていません。

地方税:無申告分

地方税の無申告分納付書は、税務調査後おおよそ二ヶ月後くらいに送られてきました。各種金融機関での支払いのほか、電子マネーを使ったコンビニ払いや、自治体によってはYahoo!公金払いも利用できます。nanacoへのクレカジャージを使えばポイントがつくので、うまく利用すればいくらか税金を取り戻すことができるのでぜひ。

というわけで、細々とした支払いはいくつか残っていますが、通知から納付までのおおまかな流れは一通り体験できました。自宅での調査はもっと長い時間がかかるものかと思っていましたが、1時間~1時間半程度で終わって拍子抜けしました。その後の手続もそこまで難しくはありませんが、とにかく何回も納付にいかなければいけないのが面倒ではあります。

また、はじめての方が突然通知を受け取ったような場合には、調査への不安で神経をかなりすり減らしますし、必要書類の調査、依頼等で時間かかると思います。自宅調査への対応には会社を休む必要があると思いますが、なかなか休めない人もいると思います。きちんと申告するのが一番ですね。

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