日本の不動産投資市場の概況

不動産について色々調べていたら、野村総研が素晴らしい資料を公開しているのを見つけました。

【PDF】日本の不動産投資市場 2015(2015/6)

1年近く前のものですが、不動産投資についてマクロ・長期の話から目先の話まで色んな情報が見やすいグラフとシンプルなメッセージでまとめられていて、パラパラ見るだけでも非常に面白い資料です。興味をひかれた内容を私個人への影響を絡めつついくつか紹介します。

人口動態

  • 東京圏の人口は2015年にピークを迎え、以後ゆるやかに減少する
  • 東京圏の世帯は2025年まで拡大するが、以後減少に転じる
  • 単身世帯が顕著に増加し、子持ち夫婦世帯が顕著に減少する

なんと、ついに東京圏でも人口の減少が始まっています。東京に限ってみても、2020年ぐらいからは緩やかな減少が始まる見込みのようです。日本全体の人口が減っても首都圏や地方中核都市では人口が増えていたので、投資にあたってはあまり人口減少を考慮する必要もなかったんですが、そう単純にはいかなくなってきました。

東京23区の増減を見ると、下位組には2040年までに20%近く減少する区もあります。古い中古住宅を含めると、需給バランスは相当崩れそうですね。とはいえ、家を買うならさすがに2025年ぐらいまでの予定なので、そこまでは世帯数が増加してしまうわけですね。私にとっては、マクロな人口動態よりも、その時の需給バランスから受ける影響のほうが大きそうです。

マクロ経済環境

  • 今後も低成長率が続くが、そこそこの市場規模を維持
  • 破綻懸念は少ないものの、公的債務は増大を続ける
  • 長期金利は低位安定状態

こちらは見慣れた風景です。この資料の中では円安傾向となっていますが、2016年からは一気に円高に振れ、以降は円高傾向が続いています。このあたりは先が読めないのでいかんともしがたいし、破局的な状況になってもできることは限られているように思います。1つ言えるのは、日本のマクロな成長に賭けるのはあまり分がよくなさそうだということですが、これは随分前からのことですね。

不動産市況

  • キャップレートが低下、リーマンショック前のレベルに近づく
  • 首都圏投資機会の減少、地方投資の拡大

キャップレートというのは、JAPAN-REIT.COMの用語集によると、

正式には「Capitalization Rate」。還元利回り、期待利回りを指す。不動産の純収益から不動産価格を算出する場合に用いられる利回り。

だそうです。どうやって決まるのかについては色んな話があって私もいまいちよくわかっていないんですが、一定の場所における類似の不動産から算出したりするようです。使い方としては例えば、周辺の似た条件の物件がレート5%で、この物件は収益が500万だから不動産価格は 500万÷0.05=1億円だ、みたいな感じでしょうか。このキャップレートが低下しているということは、同じ収益の物件に対する不動産価格が上昇しているということです。

資料内でピークアウトが懸念されていますが、REITはこの後1度、かなり下落しています。現在も不動産の過熱は懸念されていますが、手持ちのREITの利回りだけから判断すると、こちらは過熱というほど高くはないんですよね。せいぜい積水ハウス・SIレジデンシャル投資法人と、MCUBS Midcity投資法人がやや高いかなぐらいで、派手に売ろうという気にはなりません。とはいえ、一時期は利回り7〜9%の銘柄がゴロゴロしてた時期もあったようなので(天国のようですね。。)、ここ数年が異常だっただけで既に相当高いのかもしれません。他方で、海外REITに比べればJ-REITのリスクプレミアムは相当高いので、徐々に圧縮されていくと考えれば値上がり余地はあるとも言え、どう動くかは予想が難しいです。しばらくは現状のままで様子見していこうと思います。

オフィス市場

  • 東京オフィス市場空室率が長期に渡り低下傾向、過去の傾向からすると反転が近そう
  • 東京オフィス市場の賃料は反転し、ゆるやかな上昇傾向
  • 地方オフィス市場の賃料は上昇の気配なし
  • オフィスワーカー数は過去20年にわたり減少傾向、今後も減少が続く

オフィスワーカーがこんなに減り続けていたとは知りませんでした。資料では、オフィスワーカー減少にもかかわらず一定以上のオフィス供給は続く見込みとなっていますが、どういうことなんでしょう・・。建物の新陳代謝が行われていくのか、単純に供給過多で値下がりしていくのか。いずれにせよ、これまでもオフィスワーカー減少、定期的にオフィス供給ありの状態で運営してきているわけなので、特に気にかけないことにします。

住宅市場

  • 賃貸マンション居住する世帯の割合は増加傾向
  • 賃貸マンションの供給も高い割合で増加している
  • 東京のマンション空室率は上昇傾向
  • 賃料は継続的に下落傾向
  • 持ち家比率は40〜60歳で低下傾向

需要が増えているものの、供給がそれを上回っている状況なんでしょうか。賃料の下落傾向が気になります。しばらく賃貸に住み続ける予定の私にはありがたい話ではあります。この資料に書いてある話ではないですが、今は中古マンションの在庫が増えているみたいなんですよね。

もう少ししたら派手に値崩れしてくれるかもしれません。まだ会社から家賃補助が出る年齢なので、派手な値崩れはもうちょっと先が良いんですが。

2016年版があるなら、個人的には観光客増加の影響、宿泊施設についても情報があると嬉しいです。ぜひ公開してほしいものです。

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