株の売却や配当にかかる税金の増加は早期リタイアにどう影響する?

金融関連資産の譲渡益や配当益に対する税率が20%から25%になるのでは、と噂されている。

株高の裏で、「金融所得」増税が浮上している:東洋経済オンライン

私は配当を主な収入源とした早期リタイアを目指しているが、仮に税率が20%から25%に上がった場合、手取り収入は6.25%減ることになる。月額30万円だったものが28万程度まで下がるので、結構影響が大きい。

貯蓄から投資へ、しかし格差是正のためには増税

この増税は、平成31年に導入される消費税の軽減税率に関する財源を確保するため、と報道されているが、これまで政府が掲げてきた「貯蓄から投資へ」の方針とそぐわないように感じる。その方針は現在も変わってはいないはずだが、近年はどちらかといえばiDeCoやNISA等のインデックス投信長期積立の優遇へとシフトしてきた感があり、実際、譲渡益・配当益に対する軽減税率も2013年には終了しているので、譲渡益や配当益に対する税率も今後はもはや聖域とは言えないのだろう。

とはいえ「貯蓄から投資へ」の大きな方針に反することにはなるのだから、大義名分が必要だ。今回それは、「所得格差の是正」になるようだ。高所得者の多くは金融資産関連から所得を得ており、そこが累進課税でないために所得格差が開いている、というストーリーだ。そうなると、金融資産に対する課税もすべて累進課税にすればいいじゃないか、と思うところだが、各金融機関が源泉課税する場面ではそれは難しい。金融機関は、他の金融機関口座や他の所得の状況については知り得ないからだ。もし金融資産に対する課税をすべて累進課税にしようとすれば、確定申告が必須となってしまい、税務署の事務作業が爆発的に増えてしまうので難しい。よって、一律増税、ということになるが、私のような一般庶民にとっては迷惑な話・・・

この際、配当にかかる税率と譲渡益にかかる税率の両方が増税の対象になるかは気になるところだ。おそらく両方が対象になるとは思うが、もし配当所得と譲渡所得で税制に大きな不均衡が出るなら(現段階でも結構違うが)、リタイア用ポートフォリオの選択に影響が出る可能性もある。仮に譲渡所得課税のみが高くなるなら、リタイア用としては高配当ポートフォリオが税制面で有利になるだろうし、逆ならインデックス投信を取り崩す方が今よりさらに有利になる。インデックス投信の取り崩しがさらに有利になるようなら、配当メインのポートフォリオは変更するかもしれない。

リタイアで重要なのは「総合課税」の扱い

早期リタイア者にとってさらに重大なのは、配当課税が現行と同様に「申告なし」「申告分離課税」「総合課税」の三種類から選べるのかどうかだ。現状は「申告なし」や「申告分離課税」であれば一律20%の税率だが、確定申告して「総合課税」を選べば、配当控除を受けつつ一般の所得税率を適用することができる。この場合は所得に応じて税率が変わる累進課税となるが、サラリーマンが配当収入を目当てにリタイアするようなケースでは、大半が税率15〜20%になるだろうから、このルートが残っている限りは増税の影響をあまり受けない可能性が高い。総合課税の税率そのものを上げてしまえば逃げ場がなくなるが、実現性の面からも大義名分との整合性の面からも考えづらい。

申告なしと申告分離課税の税率を上げつつ総合課税の道を残せば、低所得者に対する配当税率は据え置きつつ、高所得者の税率のみを引き上げることができる(高所得者は配当分を総合課税に逃がしても、累進課税で高税率となってしまう)。これは、大義名分にも合致することになる。投資や資産形成重視の旗を降ろさずに、格差是正の大義名分の名のもとに増税するのであれば、このルートをつぶすことはありえないと私は考えている。

1点気になるのは、増税する場合に地方税部分も上がるかどうかだ。早期リタイア者の場合、配当課税は国税分のみ「総合課税」とし、地方税分は「申告なし」にするのがセオリーとなっている。こうすることで、税率を抑えつつ、国保の保険料を抑えることができるからだ。「申告なし」時の地方税率はあまり上げないでもらえるとありがたいのだが、消費税の地方税部分に対しても軽減税率が適用される見込みであることから、筋としては地方税部分も上がることは覚悟しておいた方がよさそうだ。

配当リタイア生活は税制変更に強靭

このように考えると、現在検討されている増税は、配当金を原資に早期リタイアする場合にはそこまで大きな障害にならないのではないかと考えている。インデックス投資部分の税金が多少上がり、資産が若干減る可能性があること、リタイア後に地方税の申告なし課税で1〜2%程度上がる可能性が高いくらいだろうか。

さらに拡大して考えるなら、今後証券関連の税制が大きく変わったとしても、配当を総合課税する道が閉ざされない限りはそこまで大きな影響は受けないということが言える。そもそも配当課税はもともと「総合課税」しか存在せず、「申告不要」や「分離課税」はあとから追加されたことを考えると、総合課税が廃止される可能性はかなり低いと言えるだろう。これは早期リタイアの安定性を考慮するにあたって、重要な点だと思う。

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