投資本の雑な感想:ウォール街のランダム・ウォーカー/バートン・マルキール

某梅屋敷の人も大好きな、投資本の鉄板と言える「ウォール街のランダム・ウォーカー」。一年ぐらい前に図書館で予約していたようですが、それ自体すっかり忘れていました。今週突然「ご用意できました」と通知が届いたので、取りに行って読んでみました。読むのは実ははじめてです。

基本的な主張はみなさまご存知のとおり、とにかく時価総額加重平均のインデックス投資をしておけば間違いないよ、というもの。個人的にも、こうした主張には大筋では異論はありません。この主張を、歴史上登場してきたさまざまな投資アプローチと比較しながら検証していく、といった形です。

また、やりたければ一部の資産で割安な個別株を買ってみるのも否定はしないよ、とも言っていて、このあたりのバランス感覚も絶妙です。

あまりにも有名な本筋部分はおいといて、今回は私がひっかかったポイントについていくつか書いていきます。

ポートフォリオは年齢に応じて変える?

マルキール氏は、リスク許容度は年齢とともにかわるため、ポートフォリオもそれに対応して変わるべき、という意見です。これはわりと賛否ある意見だと思います。バフェットも全然違うことを言っていた気がしますが、まぁあっちはあそこまで資産額が膨らんだらもはや個人のリスク許容度なんて関係なさそうですしね。

具体的な調整方法としては、債券と不動産を増やすことでリスクを下げる方法を推奨しています。このあたり、日本ではどうなんでしょうね?リタイアが近い人や、リタイアした人の意見としては、やはり現預金を増やしたり高配当銘柄でキャッシュフローを増やしたい、という意見は多い気がします。私もやや理由は違いますが、年齢や状況に応じてポートフォリオを変えようとしています。

リスクを減らすには債券を組み入れる?

やっぱり、投資の主役は株式と債券です。この本では、リスクを下げるための主な手段としては、債券が非常に重視されています。一方日本の投資クラスタでは、明示的に債券クラスを組み込んでいる人はそこまで多くない印象です。

いつ終わるともしれないマイナス金利のせいで、国内債券ファンドは今後も含めて投資の価値を感じられないし、外国債券も為替リスクのせいで使いづらい。せいぜい個人向け国債変動10年で金利上昇リスクを回避しつつ申し訳程度の利息を得るか、預金を疑似債券とみなし、キャッシュポジションの変更で対応している人が多いんじゃないでしょうか。私もリスク調整は基本的にキャッシュポジションの変更で対応しています。

不動産を猛プッシュするマルキール氏

マルキール氏、リスク資産にはインフレ対策も含めて何かしらの不動産(実物、もしくはREIT)を組み入れるべし、と強く主張しています。マイホームの購入も積極賛成派のようですね。これは昨今の日本の投資界隈とは少し温度差を感じます。

こうした差異は、日本と違ってアメリカの不動産価格が基本的には上昇を続けていること、アメリカのインフレ率は日本より高いこと、の2点によるものと捉えているので、日本の投資家はそこまで積極的に採用しなくても良い意見かと考えています。実際、日本の投資クラスタではマイホーム派は一般よりかなり少なめに見えますし、REITを持っている人もあまりいません。私のポートフォリオはREIT比率がかなり高いですし、安く買える時期が来たら現物投資もしたいと思っています。

4%ルールは一考の余地あり

財産処分のための「4%ルール」には興味を惹かれました。引退後に資産を取り崩す際は年あたり総資産の4%以下にせよ、さすれば資産がなくなることはないであろう、というものです。このルールで面白いのは、資産の安全のためには、生活費が毎年変動することを受け入れる必要がある、ということですね。

私の現在のプランでは、生活費として(インフレでの増分を別にして)毎年固定の金額を使えるようにしようとしています。これは、収入が変動するというのは家族の説得材料として弱いと考えているからですが、そのために運用益や資産額にバッファを積むなどして、色々と無理をしています。生活費の変動を受け入れられれば、そこらへんは確かに楽になるなぁとは思いました。リーマンショック時なら生活費半分かぁ。大丈夫かなぁ。

この本、500ページ近くある大作ですが、最後まで楽しく読むことができました。小難しい話も多いので投資入門としておすすめはできませんが、中級者くらいになって自分の投資スタンスを再確認したくなってきた場合にとても良い本だと思います。

また、引退のための個人的な事情を抜きにすれば、効率かつ安全な投資はやっぱりインデックス投資なんだろうな、と再認識させられる内容でした。SBIの定額自動売却サービスと組み合わせれば擬似的な収入を得ることもできるので、家族への説明としてもなんとか通るような気もしますしね。定率自動売却サービスなら4%ルールを適用できて、なお良かったと思います。

ただし、所得種別が配当所得ではなく譲渡所得になってしまうので、国内の銘柄については配当所得よりも税率が高くなってしまうのがネックですね。

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