投資本の雑な感想:テンプルトン卿の流儀

テンプルトン卿ことジョン・テンプルトンは、有名な格言の数々を残した伝説的なバリュー投資家。本書「テンプルトン卿の流儀」では、テンプルトン卿の投資人生を通じ、バーゲンハンターとしての投資スタイルが描き出されています。ちなみに著者であるローレン・C・テンプルトンはジョン・テンプルトンの大姪であり、彼女から見たテンプルトン卿として描かれています。

あまりに有名な格言の数々

テンプルトン卿の残した格言の数々はあまりに有名であり、投資についてある程度調べたことがある人なら、聞いたことあるものが多いと思います。例えば…

他人が絶望して売っているときに買い、他人が貪欲に買っている時に売るには、最高の精神的強靭性が必要となるが、最終的には最高の報いが得られる。

強気相場は悲観のなかで生まれ、懐疑のなかで育ち、楽観とともに成熟し、陶酔の中で消えてゆく。悲観の極みは最高の買い時であり、楽観の極みは最高の売り時である。

英語で最も高くつく四語は『今回は違う(this time it’s different)』だ

私も本書自体を読むのははじめてだったんですが、これらの格言は他の投資本を読む中ですべて目にしたことがありました。

本書の中で特に覚えておきたい事項

本書の中で、特に覚えておきたいと感じたものを以下に示します。

バーゲンハンターとしての態度

バーゲンハンターの心構え的な部分。私の場合は、全体的にかなり薄っぺらくしかできていない感じ。やってなくはないんだけど、ちゃんとはできてない。

  1. バーゲン銘柄は一国ではなく、世界全体から探すべき。同様に、資産クラスも株式だけでなく債券等も検討に入れるべき。そうしないと、投資対象が見つからない時期が長くなりすぎる。
  2. 国を選ぶのではなく、銘柄を選ぶこと。銘柄を選んだ結果、特定の国にバーゲン銘柄が多いなら、その国が割安であると判断できるのであって、逆ではない。
  3. 人気のあるなしだけで投資判断をしてはいけない。銘柄についてきちんと下調べをすること。
  4. 割安かどうかを判断するための指標は、多ければ多いほどよい。PER、PEGレシオ、PBR、配当率、債務自己資本比率、純債務自己資本比率、EBITDAカバレッジレシオ、総債務12ヶ月EBITDA移動平均比率など。
  5. 20%以下で買えなければ魅力的なバーゲンではない。
  6. バーゲンで仕込んだ銘柄を売却するタイミングは、より良い乗り換え先銘柄が見つかった時。

バーゲン探しのヒント

こちらは市場や投資家の動きに関する洞察と、それに基づくバーゲン探索のヒント。市場の動きに逆らって動くためのお守りにもなりそうです。

  1. 株価の変動が並外れて大きく、情報が十分でない投資対象はバーゲンになりやすい。
  2. 投資対象としては、貯蓄率が高く、貿易収支が黒字の国を好む。勤勉で野心的であればなお良い。具体的には、戦後まもなくの日本、80年以降の韓国や中国がそうだった。
  3. 市場に最後の買い手が乗り込んできたら、もうそれ以上値を上げる材料はない。同様に、最後の売り手が脱出したタイミングは悲観の極みであるが、もはやそれ以上値を下げる材料はない。
  4. M&Aの増減および買収価格(企業価値より大幅に高く買っていないか)、自社株買いの増減に注意を払うことで、バーゲン時期を判断しやすくなる。
  5. 明らかなバブルであっても想像以上に長引くことが多いので、空売りは十分な根拠と撤退基準がなければ自殺行為に近い。
  6. IPOが頻発するバブル的な環境では、ロックアップ期間を考慮することで相場崩壊のタイミングを予測できるケースもある。
  7. 危機はいつも初めての装いで現れるため、いつも新時代がはじまったかのように思われるが、ほとんどの場合で同じような経過を辿る。

雑な感想

普段は市場を放置しておいて、投げ売り時にだけ買いに行くというスタイルで資産を増やした私にとっては、テンプルトン卿のバーゲンハンターという投資スタイルは非常に親近感を覚えるものでした。

内容としては当たり前のことばかりが書いてあるようにも思えますが、当たり前になるまでに広まったことを、テンプルトン卿は遥か昔から実践していた、ということです。漫画で言えばAKIRAみたいなポジションですかね?

そうした原則とも言えるスタイルを、実際に成功した人の行動を背景にして説明されると説得力が違います。読むことで、なんとなく考えていたことが明確に整理されるという意味でも、平易な語り口の教科書・参考書のように感じられた本です。

 

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