【追加検証】S&P500にいくら投資すれば一生安泰なのか

 

以前、「S&P500に5,000万円投資すれば一生(40年間)安泰だ!」というTwitterのネタを発端に、以下の検証記事を書きました。

5000万円をS&P500に投資すれば一生暮らしていけるのか?

結果、1970年代の円高、高インフレ、株式不調のトリプルショックにより、ほぼすべてのケースで破産するという非常に厳しい結果が得られました。じゃあ、いったいいくらあればすべてのケースで破産せずに済んだんだよ!という疑問もあると思いますので、今回はその点を追加で検証してみました。

検証条件の改善

検証に入る前に、元記事にいただいたコメントをもとに、検証条件を改善した部分を説明しておきます。

大変興味深い試算結果ですね。
ところで疑問なのですが、税引きの条件設定が少し厳しすぎなのではないでしょうか。
引き下ろし額全額ではなく、購入時と引き下ろし時の基準価格の差分だけが課税対象なのではないでしょうか。(今の試算ですと、購入時基準価格=0円となっています)

至極もっともなご意見です。これを受け、売却時の税率は20%固定としつつ、課税対象は値上がり部分のみとするように変更しました。取り崩し額は、税を控除した状態で生活費の20万円(+物価上昇分)が手元に残るようにしています。

元記事の結果はどう変わったか

条件を改善した状態で、元記事の検証も再度行ってみました。傾向はほとんど変わらなかったのですが、追加でいくつか助かる年が出てきました。具体的には、以下の4年です。

  • 1951年
  • 1999年
  • 2000年
  • 2001年

元記事で破産の境にいた年が助かっている格好です。しかし、いずれも残額は500万円以下にまで減っているため、本当の意味で助かったと言って良いのかはあやしい水準です。こうした結果からも、条件の変更によって結論に大きな変化はないと言えそうです。

検証結果

40年間の運用期間が取れる1950年~1977年のすべての期間で生存可能な初期投資金額は、1億4,000万円でした。1.4億円で開始した場合、運用期間終了時にどのくらい資産が増減したのかを確認するため、終了時資産倍率(初期投資額から何倍になったのか)をヒストグラムにしてみました。

3倍~5倍程度が多く、やや危うい印象も受けますが、そもそも1.4億円のスタートなので、比較的危うく見える3~5倍でも資産額で見れば4億以上になっています。また、15倍以上になっている年もわりと多く、この場合だと20億を超えているわけです。こうしてみてみると、1.4億スタートはさすがにちょっとやりすぎ感があります。

1,000万円刻みでもう少し詳しく

では、どれくらいの金額ならそこそこ安全に引退できそうなのでしょうか。5,000万円を出発点として、1,000万円刻みで生存率をグラフ化してみました。

横軸が初期資産額(単位は億)、縦は生存率です。これを見ると、1.2億円ぐらい欲しくなります

1.2億円の場合の詳細

1.2億円で開始した場合について、もう少し詳しくみていきます。破産したのは28年中4年で、生存率は85.7%でした。ヒストグラムを見てみると、破産した4年以外にも予備軍は結構いるのですが、40年耐えきったのでとりあえずはよしとします。1倍フィニッシュでも1億以上あるわけですしね。

1.2億なのに破産組の推移

破産した各年の推移を見ていきます。1.2億円スタートで破産したのは、1965~66年、1968~69年です。

破産したとはいえ、68年はほぼ40年、その他の年も30年近くは生存できています。ここまで生存率を高められていれば、運の悪かった3年はもう生活保護で良いのではないでしょうか。

実際は年金もありますし、1億~1.1億程度あれば安心といっていいように思います。なんというか、かなり夢がないですが。

各開始資産額ごとのヒストグラム

ここまでに紹介したもの以外も含め、開始時資産額ごとのヒストグラムをすべて掲載しておきます。横軸は、40年を終えた時点での資産の成長倍率です。

  

まとめ&感想

生存率を基準に考えれば、結局1億円+αが欲しくなるという夢も希望もない結論になってしまいました。こちらは実際に起きた荒波を乗り越えるための資産積み増しだとしても、高配当銘柄1億円で年収300万円シナリオと比べても、必要資産額が大差ないというのがなんとも…。

また、海外資産100%ポートフォリオはリスクが高すぎてイマイチだなと改めて感じました。日本で暮らしていくプランである限りは、ホーム・カントリー・バイアスと言われようが、それなりの比率で日本株を組み入れつつ、地域・通貨的に分散したポートフォリオを目指していこうと思います。

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