投資本の雑な感想:史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力

バフェットが永続的優位性を持つ企業を選び出す際には、財務諸表のどこを見ているのか、58のルールでわかりやすく説明した本です。思ったよりもかなり薄く、読むだけならすぐ終わりました。

永続的優位性は財務諸表のどこに表れるのか

永続的優位性のヒントとなる項目をざっくりサマってメモしておきます。

ちなみに、この本ではあくまで永続的優位性を持つ企業を見つけ出すことを目的としているため、常に「企業が何かしらの永続的優位性を持っているとしたら、それは財務諸表のどこにどのような形で表れるか?」という観点で財務諸表を確認しています。それ以外の目的で分析したい人は別の本を読んだほうが良いと思います。

売上

  • 売上高総利益率が高い(40%~)

費用

  • 研究開発比率が小さい(~20%)
  • 一般管理費・販売管理費(SGA)÷粗利益が小さい(~30%)
  • 支払利息÷営業利益が小さい

利益

  • 当期純利益が一貫して成長している
  • 売上高純利益率が高い(20%~)
  • EPSが一貫して成長している
  • ROAがほどほどに高い(高すぎる場合、参入障壁が低い可能性あり)
  • 実質ROEが高い(20%~)

資産

  • 本業収入による流動資産・現金が多い
  • 利益剰余金が一貫して成長している
  • 有形固定資産が少ない

負債

  • 売上債権÷売上高が小さい
  • 自己株式調整済み負債比率が高くない(~80%)
  • 短期借入金が長期借入金より少ない

キャッシュフロー

  • 投資キャッシュフローが少ない
  • 資本支出が少ない
  • 株主還元を自社株買いで行っている

また、以下のような項目は要注意。

  • 棚卸資産の急激な増減には注意が必要
  • のれんが多い場合は積極的に企業買収を行っている証拠であり、要注目
  • 財務諸表の無形固定資産に記載された数字からは企業収益の源泉として重要な部分はわからないため、その他の項目から推測する必要がある

実際に確認してみようとすると…

機械的に確認するだけでも結構大変

これらの項目をすべて確認しようとすると、財務諸表をそこそこ細かく見ることになります。証券会社のウェブサイトやバフェット・コードのような分析サイトで楽をしようとしても、多くの指標はサポートしていませんし、財務諸表上の一貫性を確認できるほどの過去データが提供されていません。

このため、過去10年以上にわたる傾向を確認するためには、有料サービスを使うか、個別にIRサイトからデータを集めてきてデータ分析ツールに打ち込む必要があります。要するにかなり大変・・・途中から手を抜いて、売掛金比率とか棚卸資産の変動とかそのへんはスルーしはじめたけど、それでも打ち込むだけでメンドイ・・・

該当企業で買えるものがほとんど存在しない・・・

条件が概ねわかったとしても、そうした企業は絶対数が少なそうです。研究開発費や販管費、資本支出が少なく、利益剰余金やEPSが確実に積み上がっていく企業となると、ハイテクはもちろん、機械、通信等の設備産業はほぼアウトで、簡易な製造業やサービス業がほとんど、かつブランド価値が非常に高いものしか残りません。

また、現時点(10月末時点)ではそうした企業はすでにかなり株価が高くなっているため、なかなか手を出しづらい状況です。

保有株の評価のために使ってみるのも悪くはなさそう

といった感じで、このルールを使った新たに有望な銘柄を探すのはかなり大変です。しかし、現在保有している株を評価し、この先どうなっていきそうなのか、よりクリアな見通しを持つことにもそれなりに意味があるように感じました。

実際にやってみたところ、配当を目当てに購入した保有株の多くは、財務はおおむね頑健であるものの、資本支出や販管費が高く、永続的優位性の観点からはあまり高く評価できない企業が多かったです(キヤノンとか通信系とか…)。そもそも配当を出さないという条件に合致していないわけだし・・・

この場合、中長期的には市場競争によって利益を削られ続け、凡庸な成績を残し続けるか、業績が振るわず減配になっていく可能性も否定できません。安定した配当を得るためには、今後は永続的優位性の条件をなるべく多く満たす企業も意識して探していきたいと思います。

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