民泊による東京圏不動産への影響

今後は人口が減少に転ずるらしい東京圏ですが、今後大幅な増加を目指している訪日観光客はプラス要素です。ただし、日本政策投資銀行による 東京オリンピック期間中と期間後のホテル需給環境を考える(PDF) を参考にすると(あくまで訪日観光客の目標が現在の半分だった頃のものですが)、国内人口の低下に伴う国内観光客の減少との相殺もあり、今後も需給環境はあまり変化しない想定だったようです。

客室はやはり足りなそう?

改定後の目標では、2020年時点でここからさらに2000万人が上乗せされるわけですが、仮に訪日観光客の平均滞在日数を2週間とし、このうち東京で半分程度の日数を過ごし、来日時期は一年に渡って均等だとした場合、1日あたり約38万人の宿泊需要が追加で発生することになります。

東京圏の客室数は、さきほどの資料から現在おそらく30万程度と思われ、東京圏の客室が東京観光ですべて使えるわけでもないこと、来日時期に不均衡があることを考えると、客室数はやはり足りないように思います。

民泊によるさまざまな影響

そんななか、Airbnbに代表される民泊事業の世界的な広がりにも後押しされ、日本でも民泊による客室数の確保が真剣に議論されてきています。これまでは草の根で増えてきた民泊事業ですが、周辺住民とのトラブルも増加を見せており、また一般のホテル・旅館が従っている旅館業法を無視した違法状態なのではないかとの指摘も一般的に認知されてきました。こうした状況を改善すべく、一部の地域では旅館業法に従う義務を免除するなどの取り組みも始まっており、不十分と言われながらも徐々に民泊の利用が広がっている状況です。

個人的には、訪日観光客に対応する施設や人員の不足で宿泊費が高騰したり、観光体験が低下するのはもったいないと考えていたので、民泊の活用そのものは条件つきですが賛成の立場です。その際、こうした民泊の広がりによるホテル・旅館への影響や、不動産市場への影響は非常に限定的だろうと勝手に思っていました。ところが、観光の先輩であるフランスからはこんな記事が出てきて、ちょっとびっくりしてしまいました。

民泊大国フランスの惨状を見よ! 脱税横行、家賃上昇、人口減…「パリは人の住めない街になってしまった…」

いわゆる業界団体からの発信を元にした記事なので、特に一般住民への影響へ言及した部分については話半分程度で聞いておく必要があるとは思いますが、賃貸・分譲マンション側での需要が一気に増えて、ホテル・旅館側の需要が下がるという現象がかなりドラスティックに起きているようです。

東京の人口はパリの5倍ほどあり、周辺の地域まで含めれば賃貸住宅の供給はややあまり気味な状況でもあるので、すぐに住民が困るような変化がやってくることはないとは思っているのですが、東京に住んでいる者としては気になる話です。

住居系REITでも観光客増の恩恵を受けられるかも

私はホテル系のREITは持っておらず、住居系・事務所系のREITが主なため、これまでは訪日観光客が増えてもあまり恩恵はなさそうだなぁと思っていました。ですが、上記の流れを見ていると、下手にホテル系に手を出さなくても、住居系REITを持っていればそれなりに恩恵を受けられる可能性があります。ホテル・旅館が打撃を受けるのは観光立国を応援する立場からはちょっと怖いんですが、民泊には頑張ってほしいですね。個人的には、私も一度ぐらいは試してみたいです。

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