投資本の雑な感想:1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました

原題は『The Millionaire Mind』。1億円持った人の考えをアンケートをもとに整理した本であって、1億円貯める方法が書かれているわけではありません。邦題はちょっとした詐欺ですね。

序文 億万長者になるのは簡単だった
1 本当の金持ちってどんな人?
2 億万長者への30の質問
3 天才・秀才は金持ちになれない
4 チャンスとリスク、勇気と恐怖
5 金持ちになれる仕事、なれない仕事
6 金持ちになるための配偶者の選び方
7 買い物上手こそ金持ちへの道
8 金持ちの家をのぞいてみよう
9 億万長者のライフスタイル──現実と幻想
10 ミリオネア・マインドを身につけよう

よくある自己啓発本+となりの億万長者

平たく言ってしまえばこの本は、前半がよくある自己啓発本、後半が前著「となりの億万長者」のリプレイです。

前半部分は特に読む価値が薄い

いずれもお金持ちに対するアンケート結果を読み解いているのですが、前半はお金持ちが自己申告した自らの成功の秘訣を無批判に垂れ流し&筆者の都合の良いように自己解釈しており、結果としてよくある成功者の自分語りに終始しています。

本来なら、バイアスがかかりがちな成功者の自己申告ではなく、成功者が過去に取った行動や状態にフォーカスし、似た環境にあって成功しなかった者との比較を交え、本質的な成功要因を抽出するべきだったと思います。しかし、本書の前半部分はまったくそうはなっていないため、ヤクザ映画を見て気が大きくなる効果以上のものは望めないと思います。

後半は隣の億万長者の改善版

後半は、アンケートの中でも現在の「行動」や「状態」にフォーカスしていることから、前半よりは多少マシになっています。

隣の億万長者との違い

まず、前著「となりの億万長者」は、億万長者の中でも純資産100万〜1,000万ドルに限定して調査した本だった、ということは理解しておく必要があります。つまり、金持ちの中でも最も下位に属する人たちにフォーカスした本だったわけです。

前著を読んで「お金持ちはみんな雇われ仕事で倹約してるんだ、起業家やエリートは浪費家でお金持ちになれないんだ」と妙な勇気をもらった人をよく見かけますが、普通に考えてそんなわけありませんよね。

本書では、対象を1,000万ドル以上にも広げており、結果として前著とはまったく異なる結論に到達しています。前半がよくある事業・起業の成功譚に終始したのもそのせいですね。

億万長者がみな倹約家なわけではまったくない

本書では、お金持ちが「倹約派」と「非倹約派」に明確に分かれていることが示されています。倹約派は前著とほぼ同じ人物像ですが、非倹約派は知的能力が非常に高い専門職で、倹約する時間があれば仕事に打ち込んだ方が得と考え(事実そうなのでしょう)、買い物は専門家に丸投げで、とにかく高級そうなものを買う、という典型的な金持ち像を具現化した存在です。

そして、非倹約派の方が社会的名声は高く、資産額も大きいのです。これは、前著では隠されていた不都合な真実、と言っても良いでしょう。こんな結論だったら、「となりの億万長者」がベストセラーになることなんてなかったでしょうから。

ミリオネア・マインドとは?

この本で最終的にまとめられたミリオネア・マインドは、以下のようにまとめることができます。

  1. 人一倍の努力、誠実であること、仕事への情熱を備える
  2. 学業成績は気にせず、成功への意欲を保ち続ける
  3. 経済的リスクを背負い、失敗しても克服する方法を学ぶ
  4. ユニークで高収益なだけでなく、心から愛着を覚える職業を選ぶ
  5. 成功の助けとなるような特質を備えた相手を伴侶に選ぶ
  6. 家計支出をコントロールする
  7. 家を選ぶときは十分調査・研究し、値引きも行う
  8. 安上がりでバランスのとれたライフスタイルを心がける

どうでしょうか?これまでも述べてきたように、私には1〜5はよくある自己啓発本(しかも定量的なデータに基づいているわけでもない)、6〜8が隣の億万長者のリプレイにしか見えませんでした。しかも、6〜8は非倹約派を無視した結論なので、金持ち一般に関して言えると言い難いです。

つまり、金持ち全般に対象を広げてしまうと、新しいことなど何も発見できていません。下位の金持ちになる方法としては、前著のような方法もある、ということが再確認されただけです。

自己啓発本をあまり読んだことがない人、前著「となりの億万長者」を読んだことがない人は読んでみても良いかもしれませんね。

類似ブログのランキング&応援はこちら

にほんブログ村 株ブログ 高配当株へ にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ にほんブログ村 株ブログ REIT・不動産投信へ

コメントを残す