投資本の雑な感想:コンテナ物語

原題は The Box: How the Shipping Container Made the World Smaller and the World Economy Bigger。直訳すると「箱:コンテナはいかにして世界を小さく、そして世界経済を大きく変えたか」。コンテナリース企業を保有していることから、もう少しビジネスの背景を理解したく手を出した本です。

目次は以下。タイトルだけだとなにがなにやらという感じですね。

  • 最初の航海
  • 埠頭
  • トラック野郎
  • システム
  • ニューヨーク対ニュージャージー
  • 労働組合
  • 規格
  • 飛躍
  • ベトナム
  • 港湾
  • 浮沈
  • 巨大化
  • 荷主
  • コンテナの未来

実用書というより、経済歴史小説

投資の背景情報補強のために読んだ本ですが、知り得る情報だけを箇条書きにすれば、新規に知り得たことはあまり多くなく、影響もおおよそ予想の範疇にとどまります。

  • コンテナ以前の運送業は小口の荷物を混載しており、乗り物が変わったり行き先が分かれる度に積み下ろしが発生し、莫大なコストが発生していた
  • 輸送コストを抑えるため、港の周辺には製造業の拠点が密集し、積み下ろしを行う港湾労働者とあわせて巨大な雇用を生んでいた
  • 輸送コストや輸送日数があまりに大きいため、サプライチェーンは狭い地域に閉じていた
  • 輸送システムをエンドツーエンドでコンテナ化することで、荷降ろしや積替えが不要になり、輸送コストと所要日数が劇的に低下した
  • これにより、製造業は港に隣接する必要がなくなっただけでなく、サプライチェーンを世界各地に分散させられるようになった
  • 海運業は巨大なコンテナ船、コンテナ港、コンテナを必要とする資本集約型のシクリカルな産業となり、競争の激化と多くの倒産を産んだ

特に、コンテナによってサプライチェーンがグローバル化し、製造業が低コストを求めて世界中に散らばるようになったことは、人間社会に対して甚大なインパクトをもたらしています。先進国が「追われる国」で語られるような急激な経済環境の変化に見舞われるようになった理由の一つがここにあります。

ただ、この本の面白いところは、一代で身を起こし、コンテナ業を軌道に乗せたマルコム・マクリーンを中心とした企業、政府、労働者たちの激動の変遷そのものでしょう。

また、神戸周辺で育った私が個人的に興味深かったのは、なぜ現代の港が、 古い物語でシンボリックに扱われる港とまったく異なる姿をしているのか、そして、港で暮らす海の男や港町といったものは、なぜ、いかにして消え去ってしまったのか。そうした古くからの疑問が綺麗に解消されたことでした。

実用書としては酷く冗長ですが、経済歴史小説としてはなかなかおもしろいです。

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