質問箱:高配当銘柄をはじめるにあたっておすすめの書籍

質問箱へ届いた質問への回答のうち、投資関連で長めに回答したものについてはこちらにも掲載していこうと思います。質問箱というサービスもいつなくなるかわかりませんしね。。

質問箱への回答

高配当株投資に特化した本は読んだことがなくて申し訳ないのですが…

私の場合、高配当株投資とはいえ配当利回りから入るのはあまり良くないと思っていて、基本的には他の中長期投資を基本に据えた上で、さらに条件に高配当(手法によって現在利回りだったり将来の想定利回りだったり)を加え、結果としてのポートフォリオに高配当銘柄を揃えていくもの、という風に捉えています。

そういう意味で、1. 自分のスタイルにあった中長期投資に関するものと、2. 企業と投資家にとって配当とはどういうものか、きちんと記載された本を読むのが良いと思います。

前者で言えばバリュー投資なら賢明なる投資家ですし、成長株投資ならフィッシャーの「株式投資で普通でない利益を得る」、「ピーター・リンチの株で勝つ」等の古典は抑えておくと良いと思います。このあたりは好みのスタイルに沿った好きな本を選べば良いかと思っています。

後者は「バフェットからの手紙」でしょうか。バフェットは配当を出さない株を好むため真逆ではありますが、経営者は配当をどう扱うべきかがきちんと記されており、高配当株投資とは一体何をしていることになるのか、良くわかると思います。

最後に「株式投資の未来」ですが…高配当株投資といえばシーゲルのこの本が有名なので、高配当株投資家が何を論拠にしているのかを理解しておく意味で、一読しておいて良いとは思います。ただ、シーゲルの配当株再投資戦略はあくまでデータを雑に解釈したジャストアイディアレベルのものであって、高配当株を選んで配当再投資をしていれば高パフォーマンスが高確率で得られる…といったものではない点には強く留意すべきと思います。

なぜ高配当利回りや連続増配を重視しないか

ここまでが質問箱での回答です。回答で何度か書いたとおり、今現在の私は配当利回りや連続増配に着目したエントリーをあまり好ましく思ってはいません。そこら辺の理由を少し補足しておきます。

  1. リスクの高い企業を選好しがち
  2. 企業の変調を見逃しやすい
  3. 経営者の最適な資本配分を阻害する

リスクの高い企業を選好しがち

高配当銘柄はその性質上、成長性や利益の継続性に何かしら問題を抱えているものが多いです。配当性向が健全にも関わらず利回りが高くなるのであれば、投資家は企業の先行きに懸念を持っており、株価は利益の減少や減配を織り込んでいる可能性が高いというわけです。

安定配当銘柄も衰退を控えた成熟産業が多く、買った当初は申し分なく見えた企業でも次第に事業が傾いていくケースはよく目にします。そのため、高配当株投資では企業の変調を注意深く監視し、減配が現実のものになる前に素早く撤退しなくてはいけません。

高配当・連続増配銘柄は配当利回りが株価のアンカーになっていることが多く、減配が発生すると株価が大きく下落して受け取った少々の配当金など吹っ飛んでしまうからです。

企業の変調を見逃しやすい

こうして業績に変調が見られるようになった状況でも、多くの場合経営者はなんとか配当を維持しようとします。先ほども述べたとおり、高配当・連続増配企業は減配すると甚大な株価下落を招き、株主からの非難が強まるためです。

このようなとき、配当利回りや連続増配を頼りに投資をしていると、どうしても企業の劣化への対処が遅れがちになります。保有を継続する条件は、配当利回りや連続増配年数のような遅行しやすくごまかしやすい指標ではなく、もっと事業・利益・キャッシュに近いものを使った方が良い、というのが今の私の考えです。

営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフロー、配当性向を常に確認しておけば最低限の判断はできるとは思いますし、このあたりの裏付けは必ず取るように伝えられるとは思いますが…それでも過度にシクリカルな企業や経営陣が問題を抱えている企業、投資家が事業をよく理解できていない場合などでは被弾するかもしれません。

経営者の最適な資本配分を阻害する

配当は事業や資産が創出した利益やキャッシュを配分する形態の1つに過ぎません。また、配当をどの程度排出するかは経営陣の判断で如何様にも変わります。継続企業が将来にわたって利益の最大化を目指すのであれば、むしろ資本配分はある程度柔軟に変わって然るべきと思います。

連続増配の結果配当性向が100%を超えていたり、事業投資を後回しにして将来の利益継続を危うくしたり、低金利環境に依存して社債や借り入れから配当を出したり…連続増配や配当利回りに固執しすぎることから、資本政策に歪みが生じたケースは散見されます。

投資家が資産収入で生活するために安定した配当が欲しいとしても、それを個々の企業に押し付けると資本配分が歪んでしまいます。どうしても実現したいのであれば、ある程度バッファを設けつつ、保有銘柄を分散したポートフォリオを構築することで全体として安定した配当を実現するよう、投資家側で調整する方が良いと考えています。

類似ブログのランキング&応援はこちら

にほんブログ村 株ブログ 高配当株へ にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ にほんブログ村 株ブログ REIT・不動産投信へ

コメントを残す