投資本の雑な感想:破天荒な経営者たち

原題は The Outsiders。本書で紹介される資本配分の達人の多くが、それまでは経営者という仕事やその業種にまったく関わりがなく、それ故に因習に囚われない経営ができたことからつけられたタイトルです。
本書では、同じ経済環境や業種でも、資本配分の巧拙によってリターンが年利3〜10%程も違うことを示し、彼らに共通する振る舞いを描きます。

目次です。

監修者まえがき
序文――シングルトン村
序章――知的な因習打破

第1章 リターンの永久機関――トム・マーフィーとキャピタル・シティーズ・ブロードキャスティング
第2章 複合企業の型破りな経営者――ヘンリー・シングルトンとテレダイン
第3章 企業再生――ビル・アンダースとゼネラル・ダイナミクス
第4章 急流のなかで価値を創造する――ジョン・マローンとテレコミュニケーションズ
第5章 後継者は未亡人――キャサリン・グレアムとワシントン・ポスト
第6章 公開LBO――ビル・スティーリッツとラルストン・ピュリーナ
第7章 同族会社の最適化――ディック・スミスとゼネラル・シネマ
第8章 CEOは投資家――ウォーレン・バフェットとバークシャー・ハサウェイ
第9章 急進的な合理主義――アウトサイダーの考え方

エピローグ――応用例とチェックリスト
謝辞
付録――バフェット・テスト

今回は図書館で短時間で頭に入れた内容のメモのようなものなので、多少不正確なところがあるかもしれません。

破天荒な経営者たちの特徴

8人の経営者に特徴的な共通の振る舞いをざっくりまとめると、次のようになります。

  • 事業執行と資本配分の分離
  • 一株当たり利益の飽くなき追求
  • フラットな組織構築と権限移譲の極大化
  • 資本配分ツールセットの最大限の利用
  • 冷徹な利回りの見極めと大胆な資本移動

項目レベルで見れば「バフェットからの手紙」を通読したような人にとっては当然と思うことも多いので細かくは説明しませんが、それが実際にどういう動きとなって現れるのか、細かく記載されているのが本書の大きな価値です。

特に、スピンアウトの多用、自社に対する外部評価に応じて柔軟に株式発行と自社株買いを繰り返すアコーディオンのような資本管理、自社のコア事業ですら躊躇なく縮小する様は、コア事業と企業という箱を神聖視して決して動かそうとしない日本企業とはあまりに隔絶した姿です。

彼らは最終的に、事業を全て売り払って企業自体を消滅させることも厭いません。それが株主価値の最大化につながるのであれば

個人投資家にとっての重要性

冒頭にも述べましたが、これらすぐれた資本配分者が資本を握った場合、同一経済条件、同一業種に対して年利で3%〜10%程度もアウトパフォームしています。これは20年の期間では2〜7倍の差になります。

つまり、個別銘柄の投資家がこうした優れた経営者を見つることができた場合、その跳ね上がったオッズから、より大きく賭けることを正当化できるということです。

鮮やかで果断な資本配分は投資家の模範

最後にもう1つとても重要に感じたのは、こうした優れた資本配分者の実態は投資家そのものであること、そして私たち個人投資家も世帯という疑似企業の資本を配分する者である以上、彼らを選ぶだけでなく、彼らのように振る舞うことに大きな利点があるということです。もちろん、そうした地点を目指すのであれば、ですが。

この本はまた何度か読み返すことになると思いますが、図書館にほとんど置かれていない…

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