タイプ別で見る早期リタイアに必要な資産額(富裕型の場合)

早期リタイアを目指す人にとって、必要資産額は非常に気になる話題です。この金額によって、実現可能性やリタイア時期が大きく変わってくるからです。この際に悩ましいのが、リタイア後の生活でリスク資産を取り崩すかどうかです。

富裕型と逃げ切り型

今回の検討では、リスク資産の取り崩しをすることなく、運用益(主に配当益)だけで生活費を賄うことができるタイプのリタイアを富裕型と呼び、逆に生活費を運用益だけで賄いきれず、リスク資産を取り崩しながら年金支給開始年齢まで生き延びるタイプの人を逃げ切り型と呼ぶことにします。ちなみに、私の現状のリタイアメントプランは逃げ切り型です。

それぞれの利点と欠点

富裕型は予期せぬ事態に強く安定している反面、達成が難しく引退時期も遅れがち。逃げ切り型はその反対です。

逃げ切り型の場合、人生の後半にはかなり資産的なバッファが少なくなってきます。このタイミングで暴落が起きると再起不能になる可能性もありますし、天災や大病での出費でも致命傷になりかねません。そうしたリスクを考えると、できれば富裕型の早期リタイアをしたいところ。では、富裕型の早期リタイアにはいったいどのくらいの資産が必要でしょうか。

平均的支出の夫婦で試算

一月あたりの生活費から、必要な資産額を逆算していきます。総務省の「家計調査(二人以上の世帯)」平成27年5月分によると、無職世帯の支出は次のようになっています。住居費の安さを考えると、持ち家がある前提ですね。

●支出総額:26万7803円
・食費 6万7169円
・住居 1万5524円
・水道光熱 2万1286円
・家具、家事 9999円
・被服費等 8038円
・保健医療 1万3446円
・交通通信 2万5857円
・教育 537円
・教養娯楽 2万6522円
・その他 5万437円(理美容、交際費、嗜好品、諸雑費など)
・税金 社会保険料 2万8990円

私の家計と比べてもそんなに違和感のない支出なので、今回はほぼこのまま採用し、年間支出を312万円とします。生活防衛資金を年間支出の2年分とし、年間支出を運用益のみで賄う場合に、リタイアに必要な額を想定運用利回りごとに示します。

想定運用利回り(税引後)必要資産額
2.0%16,224万円
2.5%13,104万円
3.0%11,024万円
3.5%9,539万円
4.0%8,424万円
4.5%7,558万円
5.0%6,864万円

ちなみに、ここではインフレの影響を考慮していません。資産のほぼすべてをリスク資産に投じている状態なので、運用利回りもインフレ(に伴う金利上昇)に応じて上がり、生活費の上昇分を相殺すると想定しておきましょう。

税引後で年利5%を叩き出せば7,000万円程度で可能ですが、1億近いお金を継続的に年利5%(税引き前だと6.25%)で回し続けられることを前提とするのはやはり少し怖いので、想定としては2.5~3.5%が無難ではないでしょうか。そうなると、必要総資産額は9,500万~1億3,000万円となり、1億台前半くらいの資金は必要となりそうです。まだ家を購入していない場合は、これに加えて住居購入費用(賃貸派の場合は家賃の上積み分)も必要になってくるため、総額だと1億5,000万円以上必要になってしまいます。

これはなかなか厳しいですね。共働きでも1億5,000万も貯めるのはかなり難しいし、仮に到達できても60近くになることが多いでしょう。私の場合、共働きで子供なし、ぼちぼち節約しながら資産運用しても希望するリタイア年齢だとギリギリ届くかどうかという水準。

少額の収入を足せるならもう少し現実的な額に

仮に、生活費負担を減らすために月5万円程度の収入を得られるとすればどうでしょうか。早期リタイア後も細々と仕事を続けるパターンですね。想定運用利回りごとにまとめると、次のようになります。

想定運用利回り(税引後)必要資産額
2.0%13,224万円
2.5%10,704万円
3.0%9,024万円
3.5%7,824万円
4.0%6,924万円
4.5%6,224万円
5.0%5,664万円

必要資産額は2,000~3,000万円程度下がっており、やや現実感が出てきました。時給900円なら55時間、フルタイムで7~8日程度働けば良い計算です。この先、こういった形の仕事がもっと見つかりやすくなればいいんですけどね。

結論:早期リタイア者の次の目標は1億円

こうしてみてみると、超節約状態でのリタイアが視野に入ってくる5,000万円に続いて、平均的な暮らしでのリタイアが視野に入ってくる1億円前後が早期リタイア希望者の目安となる資産額になりそうですね。私の当面の目標もこの額です。

以上、富裕型についての早期リタイアに必要な資産額についてでした。

逃げ切り型での試算についてはこちらをご覧ください。

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