やってはいけない投資信託の買い方

少し前になりますが、銀行で投資をはじめた方による、衝撃的なブログが流れてきました。資産総額は2年前に1,000万円を超えたそうなので、今はもう1,500万程度でしょうか。40歳を超えたくらいの方のようです。

銀行で知らないうちに投資信託を買わされた、と怒ってらっしゃるのですが、「投資信託を買わされた」の部分以外にもあやしい発言が満載です。私も決して投資に詳しいわけではないんですが、この方はこの先も大丈夫なのか、とても不安になります。まずいポイントを1つずつ見ていきましょう。

投資信託が何なのかよくわかっていない

ちなみに、投資信託とは株のことです。相場が上がれば増えて、下がれば減ります。

投資信託が組み入れ対象とする資産は株のこともありますが、そうでないこともあります。この方が買い入れ(させられ?)た投資信託は公社債投信というもので、組み入れ対象は株ではなく債券です。債券は、株式と同様に市場売買されており、様々な要因で価格が上下動し、それに連動して投信の価格も上下動します。しかし、債券は株とは商品の性質が異なるため、上下動する原因や、上下動の範囲、得られる利益等は異なります。予期しないタイミングで予期しない大きさの価格変動が起きる可能性があるので、内容を理解できない、理解していない商品は買わないのが鉄則です。

銀行で投資信託を購入している

じつは今年から、資産運用を考えはじめて、NISA口座を作って、投資信託を、NISA枠内の 120万円 だけ買ってみたんですね。

投資信託は様々な場所(銀行や証券会社)で販売されており、複数の場所でまったく同じ(もしくはほぼ同内容の)投信が販売されていることが多いです。しかし、投信を購入する際にかかる手数料(販売手数料)は販売場所によって大きく異なっており、基本的には銀行で買った場合に最も高額になります(手に入る投信は同じです)。これは、銀行でない場所で買えば、より低い手数料(もしくは手数料なし)で同じ投信を購入できるということです。

例えばこの方の場合、特別金利の定期預金にセットで加入することで、手数料のキャッシュバックを受けた、と言っています。

そのとき、投資信託を買った金額と、同じ金額を預けられる、特別金利の定期預金も合わせてしました。

投資信託 120万円 購入 (手数料 約 2%)
定期預金 120万円 預入 (3ヶ月 4%)

つまり、投資信託にかかる手数料を、特別に高い金利の定期預金で、キャッシュバックしてくれるという訳です。

しかし、キャッシュバック(といっても資金を3ヶ月拘束されていますが)されるのは販売手数料の約半分であり、キャッシュバック(と言っていいかあれですが)を受けた上でも1%の手数料を取られています。しかし、ネット証券では販売手数料は無料なのが当然になってきており、これでもまったく得ではありません。ちなみに、投信の販売手数料はおおよそ以下のような関係になっています。

銀行 ≧ ネット専業以外の証券会社 > ネット専業証券会社

また、銀行が扱う投信は証券会社に比べて種類や数が少ないことが多く、投資の際の選択肢も少なくなります。ネットに慣れた人なら特に言えることですが、銀行で投信を買って良いことは基本的にはありません

銀行でNISA口座を開設している

じつは今年から、資産運用を考えはじめて、NISA口座を作って、投資信託を、NISA枠内の 120万円 だけ買ってみたんですね。

NISA口座は同時に複数の金融機関で開設することはできません。銀行で開設した場合、証券会社で開設することはできません。先ほども記したとおり、投信を銀行で買う利点はまったくありませんが、NISA口座を銀行で開設してしまうと、NISA枠で投資しようとした際に不利な状況で投資せざるを得なくなってしまいます。2016年からは開設する金融機関を変更できるようになったため、証券会社に変更することをおすすめします。

NISA口座にこだわりすぎている

でもこれ、冷静に考えたら、NISA枠外(税金とられる)なので、少々上がったところで、ほとんど増えません。もちろん下がったら丸損です。

この方はNISAの効果を強く信じているようですが、NISA枠外でほとんど増えない投信なら、NISA枠内でもほとんど増えません。税率は20%ですからね。それとも、20%がすさまじい違いを有無ような超アクティブなファンドを買っているのでしょうか。それはそれで1つの判断ですが、そういった商品は投信の内容もわからないような人が買うものではありません。

NISAはあくまで道具にすぎない(しかもかなり使いづらい)ので、自分の投資方針を考えた上で、使えそうなところにうまく組み込むぐらいが良いと思います。NISA枠に入れられるから投資する、NISA枠がいっぱいだから投資しない、というのはNISAにとらわれすぎています。

信託報酬を把握している様子がない

販売手数料をいくらかキャッシュバックしてもらって一安心といった様子なのですが、投信の本当の手数料は信託報酬です。販売手数料は購入時に一度支払えば終わりですが、信託報酬は毎年かかる手数料です。例えば、この方が今回購入したBAMワールド・ボンド&カレンシー・ファンド(1年決算型)の信託報酬は1.566%です。NISAの非課税期間をフルに使うとした場合、これが5年分資産から差し引かれることになり、これは販売手数料よりずっと大きな額になります。

似たようなものとして、信託財産留保額というものもあり、これは投信の解約時に差し引かれる手数料のようなものです。あまり高くない場合が多いですが、把握しておいた方が良いでしょう。

一年決算型より毎月決算型を好んでいる

しかも、こちらのファンド、毎月決算と、1年決算の2種類があるのに、一言の説明もなく、勝手に1年決算の方にされていました。

同じファンドで毎月決算と1年決算があった場合には、毎月決算よりも1年決算の方が運用益は大きくなります(再投資した場合)。これは、毎月決算の場合は早い段階で分配金から税金が差し引かれてしまい、残期間で再投資にまわす資金量がその分減ってしまうためです。しかし、人間の心理としては毎月分配型を好む傾向があることが明らかになっており(プロスペクト理論、メンタルアカウンティングなど)、気づかないうちに損をしている可能性があります。

数時間でも良いので事前調査を

気づいたのはこのぐらいですが、今回購入した投信の内容はともかく、ご本人の状態はかなりまずいと思います。数百万円を投資するのに、ブログを書いているような(しかも私と違ってブクマを大量にもらえているような)ネットに慣れた方なら、ここまで知らないことはありえないと思っていたので衝撃を受けました。早急に誰かにアドバイスをもらうか、もう少しネットで調べてみるかした方がよいと思います。ベストセラーになっているような投資の本を一冊読むだけでも良いでしょう。逆に言えば、ネットや書籍で数時間程度調べるだけでも大幅に改善するレベルなので、これを機に調べていけば先は明るいかもしれません。

以上、やってはいけない投信の買い方でした。

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