タイプ別で見る早期リタイアに必要な資産額(逃げ切り型の場合)

前回は、リスク資産の取り崩しをすることなく、運用益だけで生活費の全て(もしくはほとんど)を賄うことができるタイプの早期リタイアを富裕型と名づけて、リタイアに必要な資産額を考えました。今回は、リスク資産を取り崩しながら年金支給や死亡時まで逃げ切る逃げ切り型について同じように、5,000万円~1億円の範囲でシミュレートしながら考えてみます。

逃げ切り型の前提条件

富裕型の場合、引退時期はあまり関係ありませんが、逃げ切り型の場合は引退タイミングが非常に重要になります。また、リスク資産の割合や運用方法、引退後に必要な支出について等の前提条件が少し変わると、大きく結果が異なってきます。今回は、次のような条件で早期リタイアしたと想定します。

  • リタイア年齢:45歳
  • 家族構成:夫婦二人世帯、同年齢
  • 寿命:100歳(平均寿命は今も上昇しているため、やや長めに設定)
  • 年間支出:312万円(富裕型の場合と同じ設定、根拠は前回の記事を参照)
  • 住居:購入済、修繕費や固定資産税等は年間支出に含む
  • インフレ率:1%
  • 年金支給開始年齢:70歳
  • 年金支給額:夫80万円、妻60万円(物価・マクロ経済スライドは考慮しない)
  • 生活防衛資金:1,000万円
  • 想定運用益:3%
  • 運用方針:生活防衛資金以外はすべて投資へ。無リスク資産が生活防衛資金額を割り込んだ場合、翌年にはリスク資産を換金し、無リスク資産へ移動する。

年金支給額は現役時の標準報酬月額次第で上下するため、気になる人は自分の状況で試算してみることをおすすめします。年金支給開始年齢は、現在のよりさらに5年後ろ倒しされる想定です。

資産額ごとのリタイア生活グラフ

では、5,000万円から順に、どのようなリタイア生活になるのかをグラフを見ながら確認していきましょう。

5,000万円でリタイア

結果:63歳で生活保護

63歳付近で資産がマイナスになり、そのまま100歳まで生きると1億2,000万円程度の赤字になります。とても早期リタイアなどできそうにありません。この金額でリタイアしている人の話はちょこちょこ耳にしますが、生活費を非常に低く抑え、運用益も高い想定なんでしょうね。

6,000万円でリタイア

結果:68歳で生活保護

5,000万円でのリタイアに比べると、5年程度長く持つようになりました。とはいえ結局は早期に赤字になり、100歳時点での赤字は1億円に達しています。

7,000万円でリタイア

結果:75歳で生活保護

資産が75歳まで持つようになりました。1,000万円積みました時の効果が徐々に大きくなっています。最終赤字額は約8,500万円。

8,000万円でリタイア

結果:男性の平均寿命くらいまではギリギリ持つ

82歳付近まで資産が持つようになりました。リタイア時の資産を積み増すことで、引退後に得られる運用益が増え、それによって毎年の赤字が減ることでリスク資産の取り崩し額が減り、それによって運用益の低下がおさえられる・・・という正のフィードバックの効果が見て取れます。70歳から年金が支給され、リスク資産の減少ペースがゆるやかになるのも大きいですね。年金支給開始時まである程度大きな額のリスク資産を残すのが、資産を長持ちさせるポイントになりそうです。

9,000万円でリタイア

結果:現在の平均寿命付近までなら持つ

資産が一気に10年長持ちするようになりました!92歳付近まで維持できているので、あと少しです。寿命を現在の平均寿命付近に設定する方なら、ここで十分かもしれません。

1億円でリタイア

結果:若干の余裕を持って引退可能

100歳時点でも1,000万円程度を残せるようになりました。これで、突発的な支出にも多少は耐えられるようになります(早い時期に使ってしまうと悪影響が大きいですが)。配偶者が先に死んでしまう場合など色々考えなければならないことはありますが、ひとまず条件を満たせるリタイア時の資産額は1億円と考えます

結論:なんだかんだ1億円必要

富裕型の引退を目指す場合、必要な資産額は1億3,000万円程度だったので、あちらはインフレをきちんと考慮に入れていないとはいえ、思ったほど大きな差はないんだな、というのが正直なところ。このぐらいの差なら、もう少し頑張って追加で3,000万円貯めた方が、リタイア後の生活が安定して良いんじゃないかという考えも頭をよぎります。このあたりをどう割り切るかが早期リタイア志望者の悩みどころであり、特徴が出るところなんでしょうね。

おまけ:1億円リタイアでインフレ率が2%の場合

85歳で力尽きてしまう模様です。この場合、100歳時点での生活費はなんと927万円に達しています。インフレ率の影響は大きいですねぇ。

以上、タイプ別で見る早期リタイアに必要な資産額(逃げ切り型の場合)、でした。

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