我が家のお金管理方法を変更した結果、MoneyForward 無料会員の範囲内では登録口座数が不足し、家計・資産を管理するのが困難になってきました。住信SBIの目的別口座を使うなど、登録口座数が足りていないのをなんとかしのいでいる状況です。こうなると、無料会員でも口座登録数に制限のないMoneytreeへの乗り換えが魅力的になってきます。先だって証券口座へ対応した際に少し試してみたところ、まだ若干の力不足が感じられましたが、Moneytreeも日々進化するサービス。以降も定期的にログインし、MoneyForwardのかわりとして使えるのかを確認しています。
今回は、収支管理(家計簿)機能と資産管理機能のそれぞれについて、MoneyForwardと比較したMoneytreeの特徴をまとめ、乗り換えの現実性について考えます。
目次
収支の管理(家計簿)
明細の見やすさはほぼ互角
カテゴリや口座ごとなど、明細の詳細な閲覧についてはほぼ互角です。画面に表示されているカテゴリ名や口座名をクリック/タップするだけで簡単に絞込表示でき、カテゴリごとの合計金額も把握しやすいです。
- MoneyForwardの家計簿画面:カテゴリのタップで明細を表示

- Moneytreeの支出画面:カテゴリ右の「≡」をタップで明細表示

ただし、Web版に限って言えばMoneytreeの方が使いやすいと言えます。Web版のMoneyForwardは明細閲覧が煩雑で、口座ごとに絞込表示する場合は口座一覧まで戻って選び直さないといけないし、カテゴリごとなら家計簿上で絞込対象をドロップダウンリストから選ぶ形になります。こうして絞り込んでもカテゴリの小計は表示されず、小計を確認するためには収支内訳ページに移動しないといけません。
総合して考えると、月末に記録をざっとチェックする等の用途なら、Moneytreeへ乗り換えても問題ないでしょう。
可視化・分析はMoneyForwardが上
グラフィカルな表現を使った全体の把握に関してはMoneyForwardが優れています。MoneyForwardはカテゴリごとの支出割合を円グラフで表示したり、予算と実績をバーチャートで表示したりと、直感的に全体を把握するための工夫が光ります。それに比べるとMoneytreeは、棒グラフ/折れ線グラフで資産や収支の遷移を表示するのみで、全体を把握するための工夫がやや不足しているので、こうした部分を重視する人は若干物足りないかもしれません。
- MoneyForwardのトップ画面:さまざまな種類のグラフで可視化

- Moneytreeのトップ画面:棒グラフのみ

入力の便利さはMoneyForwardに劣る
MoneyTreeは細かな現金の入出力管理があまり得意ではありません。特に、振替を設定する機能が弱く、対応する明細項目と関連づける機能や、財布に振り替えた場合に自動的に残高を増減させる機能がないため口座/財布間での現金移動を記録する手間が非常に大きいです。ATM引き出ししたお金を振り分けるには、「現金管理」という特殊な口座を使う、という仕組みもわかりづらく、MoneyForward利用者からすると面倒に感じる部分が多いです。
MoneyForwardの場合は、ある出金項目(ATM引き出し、財布間での移動など)を振替設定する場合には、対応して残高を増減させる口座も選ぶようになっており、振替設定を完了すれば選んだ口座の残高が自動的に増減し、そちらの明細にも表示されるようになります。Moneytreeの振替設定は、単に収入・支出としてカウントするのを止めるだけなので、移動先の口座の明細は別途手動で作らないといけませんし、振替項目同士の関連も記録できません。このあたりは、手元の現金を細かく管理している人には不満が残る部分です。
また、カテゴリごとに予算を設定し、予算と現状を比較する機能もありません。これらの機能を便利に使っている人であれば、物足りなさを感じるかもしれません。
- 予算管理はMoneyForwardのみ

資産の管理
基本機能は見やすく、使いやすい
支出管理と同様、明細の閲覧は問題なし、全体感の把握はやや弱いといったところです。ただし、特定の銀行の口座明細が二重に記録されたこともあり、機能的な部分で若干不安は残ります。

銀行は大半をカバー、証券やポイントはやや少なめ
銀行は地銀を含めて、大半がカバーされています。ただし、証券会社はネット証券を中心に大手数社を加えた程度で、中小の証券会社は対応していません。また、ポイントも主要なもの数種のみで、少しマイナーなものになるとほぼ対応していないので、現段階ではおまけ程度を考えた方がよさそうです。
多くの人は問題なく移行できると思いますが、マイナーな金融機関やポイントを使っている人は注意が必要です。
結論:カジュアルな管理なら十分使える、家計管理にこだわるユーザーは要注意
向いている/使える:
- 単身者のカジュアルな家計管理
- 家族の家計管理だが、現金管理は自分だけで良い
- 非対応のカードや金融機関を使っていない
- 非対応の資産(SBI証券の外国株式など)を保持していない
向いていない/使わない方がよい:
- 支出を予算・実績に分けて管理したい
- 家族全体で手持ちの現金まで含めて家計管理したい
- 非対応のカード、金融機関を使っている
細かな現金管理が不要な場合や、非対応の金融機関・資産を使っていない場合には十分なサービスです。私の場合は、現金管理が使いやすくなればいつでも移行できる状態です。
4 Replies to “MoneytreeはMoneyForwardのかわりに使えるか?”