早期リタイアメントプランでの公的年金の扱い

年金って、現状の制度が続く想定だと意外とたくさんもらえるんですよね。年金問題が多発していた10〜15年前は、もう年金はもらえない前提で計画した方がいい、とまで言われていましたが、リーマンショックの混乱後は好景気の期間が続き、目立った新材料もなく小康状態の印象です。近頃は、老後の計画について考える際に「年金は信用できない」という相談者に対して「年金がなくなることはないし、意外とたくさんもらえるんですよ」と説明しているのをよく見かけます。

私が早期リタイアを考え始めた当初も、日本年金機構のサイトで予定額を計算したりなどして、「意外と年金もらえるから、65歳まで生き延びればなんとかなりそう」と考えたりしていました。ライフプランもその前提でざっくり作り、「これならきりつめれば、即引退してもなんとかなるかも」ぐらいに思ったりしたんですが・・・

公的年金を取り巻く状況

ここ数年は世界的にも国内的にも景気が良かったためにあまり話題になりませんでしたが、公的年金を取り巻く状況は芳しくなく、これからの見通しも明るくありません。

公的年金の財政状況はこんな感じで、55%が保険料、27%が運用益、18%が国からの歳出だそうです。保険料については次のような状況で、歳入はどんどん減っていく見込みです。

  • 生産年齢人口は継続的に減少
  • 年金支給対象の人口は団塊Jr引退後しばらくするまで継続的に増加

年金原資がつきると運用益はなくなりますが、厚生年金、国民年金の原資は30年後に枯渇するとの試算があります。これらの減少を国からの歳出で埋めようにも、国債発行残高は1000兆円に達し、国内での国債消化は限界に近づいています。

マクロ経済スライドの導入で毎年支給額を調整するようになったため、大きく支給条件が変更されるリスクは減っているようですが、そもそも厚生労働省の前提とする経済成長見通しがかなり楽観的なので、この調整率で対応できるのかもよくわかりません。

公的年金は財政状況が悪化するといくらでも徴収額を増やしたり支給額を絞ったりできるので、絶対に破綻することはありません。実際に徴収額の増額や支給開始年齢の引き上げが行われてきています。後出しで保険料を増やしたり、支給額を絞ったりできるのであれば、破綻する保険会社は存在しないのと同じことです。しかし、保険者はこの保険会社が提供する保険を宛てにして計画を立てることはできません。民間の保険会社であれば解約すればいいだけですが、公的年金は強制加入なのでそういうわけにもいきません。

早期リタイアで公的年金をどう扱うか

企業で行われているライフプラン研修や、新聞・経済誌等で説明されているライフプランは定年後の生活を公的年金で送ることを当然の前提としており、その際は現在の年金支給条件を所与としています。しかし、年金の本来の目的が長寿リスクへの対処であり、平均年齢が現在も伸び続けていること、少子化により現状の条件では年金原資が枯渇する恐れがあることを考えると、結局のところ私達も公的年金は長寿リスクに対する保険と位置づけるしかないのだと思います。

これまで受給してきた、そして現状すでに受給している人たちとの格差や、ほぼ確実にマイナスになるであることがわかっているにもかかわらず強制的に加入させられていることを考えると全く納得はいきませんが、現状の公的年金支給予定に頼ったリタイアメントプランはそれ自体が大きなリスクとしか考えられません。プランが前提とする運用益やインフレ率にももちろんリスクはありますが、公的年金の支給条件変更は、中でも発生率が高いと思います。

日本人の平均寿命は戦後一貫したペースで増加(ここ数年やや鈍化の兆しあり)しており、増加数は60年間で20歳ほどです。私が世間的なリタイア年齢に差し掛かるのは30年後なので、ここからさらに10歳ほど増えている可能性が高いです。現状はリタイア年齢がゆるやかに65歳に移行し、年金支給開始年齢も同期している状況(因果関係は逆な気がしますが)ですから、30年後はさらに5〜10年後ろ倒しになっている可能性は十分あります。というわけで、私のリタイアメントプランでは年金支給開始年齢は75歳と想定することにしました。支給開始年齢の後ろ倒しと支給額の大幅減少を同時に実行するのはさすがに難しいと思うので、支給額は現状と同額の想定です。これでもまだ甘いかもしれませんが、当面はこれでいこうと思います。

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