共働き夫婦の家計管理


最近ちらほらと家計管理の話題を目にしたので、改めて我が家の家計管理方法を記しておこうと思います。


家計管理の大方針

家計管理には色々な方針がありますから、まずは我が家でおおまかにどんな方針で管理しようと考えているのか紹介します。

資産や支出は合算・オープンにするか、独立・秘密にするか?

資産や支出をお互いオープンにするか、ある程度秘密にするか、というのは夫婦世帯での大きなテーマで、よく話題に上ります。近い話題として、合算して管理するか、独立して管理するか、というものもあります。独立管理する場合、生活費の按分等が問題になってきます。

最近では共働き家庭が普通になっており、夫婦が独立した経済基盤を持ったパートナーという意識が強くなったため、財布もお互いが独立して管理し、生活費だけ折半する、というスタイルも多いようです。

夫婦が納得しているならどんな形でも良いと思っていますが、私個人としては秘密・独立管理はあまり良い形態ではないと感じています。

「自分で稼いだ自分のお金」は幻想

「夫婦とはいえそれぞれ稼いでいるのだから、自分のお金は自由に使いたいよね」といった意見は近頃人気ですし、今の社会では自然にも感じますが、それぞれの名義の口座に収入・財産があったとしても、それを「自分のお金」と思うこと自体は幻想です。なぜなら、離婚すれば婚姻期間中に形成した財産は特段の合意が無い限り合算の上折半されるからで、これではとても独立した財産とはいえません。

これを知らずにいるとどうなるのか、例を挙げます。夫婦ともに資産がゼロの状態で結婚し、自分と配偶者の稼ぎがまったく同じであり、最低限の生活費を除き、稼いだお金は自由に使って良いというルールにしたとします。その後、自分は倹約をしてコツコツ貯蓄し、3,000万を貯めました。そして、配偶者は収入を全て趣味で使い切ってしまい、貯蓄は0円だったとします。この状態で夫婦関係に問題が生じ、離婚することになった場合、あなたは1,500万円を配偶者に渡す義務が発生します。

貯蓄の名義はすべて自分なのに?と思うかも知れません。しかし、名義は関係ありません。

独立管理はモラルハザードの発生を招きやすい

ただでさえ、独立した管理は家計全体での貯蓄不足を招きやすいです。全体でどの程度資産があるのかわからないけど、配偶者が貯めてくれているのではないか…なら私は少しぐらい使っても良いか…そう考える人が多いからです。人は目先の欲望に抗うのがあまり得意ではありません

さらに、離婚時の財産の扱いを知っている場合、自分のお金は使い込んで今を楽しむことが、自分にとって有利になる、と考える可能性もあります。自分が楽しんでいても、離婚した時には楽しみを犠牲にして貯蓄した配偶者の資産は半分手に入るからです。こうして将来、貯蓄をした方が馬鹿を見る…もしくは二人ともが財産不足で泣きを見ることになります。

長期の資金計画を立てられない

そして、家計がクリアでない状態では、家計に必要なファイナンシャルプラン…資金計画を立てることができません。これでは金銭面での行く先は完全な博打になってしまいます。

私はこうした環境がフェアだとも良いものとも思いませんので、共働き家庭でも資産・収入は合算して管理し、支出も互いが納得する形にした方が良いと考えています。お互い財布を分けて自由に使っている、というのは単に、共有財産の半分と、将来のリスクに対して見ないふりしているだけです。

合算して管理するなら支出の分担は何でも構わない

支出の分担については、資産と支出を合算して管理しているなら、どの費用をどちらが支払おうと関係ありません。どちらの資産が減ろうと、家族の財産が減っていることに変わりはないからです。ただし、個人に紐づく非課税枠(各種所得・税額控除、NISA、iDeCo等)の活用や、税務上の面倒を回避するためには、資産が片方に偏りすぎるのは不利・不便になることがあります。このため、片方の資産が減りすぎないように支払いを分担するのが良いと思います。

このような訳で、我が家では財産・収入・支出は全て合算して管理しており、内訳も資産管理サービスを通じてすべてクリアになっています。

資金管理の仕組み

具体的な資金管理の方法ですが、我が家では以下のようにしています。
  • 口座・カードはすべてMoneyForward/Moneytreeに登録して透明化
  • 支払いはすべてキャッシュレス化し、MoneyForward/Moneytreeで管理
  • 固定費を中心に、自動で支払えるものはすべて自動で支払い
    • クレジットカード支払い
    • 銀行口座自動引落
    • 自動振込
  • MoneyForwardのアカウントは夫婦で共有し、明細をお互いがメンテ
  • 毎月末にMoneyForwardでおかしな資産の減少や支出がないか確認
口座と資金の流れは次のような形です。①〜⑩がMFに登録している金融機関ですね。

きちんと支出費目を管理さえできていれば、④のようにこづかい・私費を分ける必要はあまりないのですが、こづかい相当額を超えて使い込まないためのリミッターとして念の為分けてあります。⑩のジャパンネット銀行は勤務先指定の経費振込先なので外せませんが、⑨のゆうちょ銀行は近いうちに⑤新生銀行に統合すると思います。

キャッシュレスの功罪

数年前からキャッシュレス決済が流行してきていますが、一部キャッシュレスサービスは資産・家計管理サービスと連携できません。このため、キャッシュレス支払いにシフトするほど、家計の管理が煩雑になる、という状況が一部で発生しています。具体的には、いったんウォレットにチャージすることでポイントが加算されたり、ウォレットチャージしてからでないと支払いができないタイプのキャッシュレスサービスですね。その筆頭はPayPayです。

また、MoneyForwardが無料会員で登録口座数に制限がある場合、PayPayだけでなく交通系電子マネーや乱造したクレカも厄介な存在になります。

シンプルな家計管理を保つためには、多少のポイントなら我慢して、チャージなしで支払いができ、クレカの明細で支払いが管理できるタイプのサービスを使い、資産・家計管理サービスと連携できないようなサービスは避けた方が良いと思っています。このあたりは、どの程度家計管理に手間とお金をかけられるかにもよると思います。まぁ、妻は頑なにPayPayしか使ってくれないんですけどね…。

と、我が家ではこのような形で家計を管理しています。今ではそこそこクリアになってはいますが、これまでに試行錯誤を繰り返してきましたし、まともに管理できていない時期があったり、内緒のへそくり口座のようなものが発見されたりと紆余曲折がありました。社会の状況が変われば、大方針から変わる可能性もゼロではありません。これからも大きな変化があるたびに記事にしていこうと思います。

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